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完訳 7つの習慣-人格の回復-11

新しいレベルの思考

アルベルト・アインシュタインはこう言っている。

「我々の直面する重要な問題は、その問題をつくったときと同じ思考のレベルで解決することはできない」 

自分自身の内面を見つめ、周囲を見回してみると、さまざまな問題は結局、個性主義に従って生き、人間関係を築いてきたからだと気づくはずだ。

これらの問題は深くて根本的な問題であり、問題をつくったときと同じ個性主義のレベルでは解決できないのだ。

新しいレベル、もっと深いレベルの思考が必要である。

これらの根深い悩みを解決するには、人間としての有意義なあり方、効果的な人間関係という現実の場所を正確に描いた地図、すなわち原則に基づいたパラダイムが必要である。

「7つの習慣」とは、この新しいレベルの思考である。

原則を中心に据え、人格を土台とし、インサイド・アウト(内から外へ)のアプローチによって、個人の成長、効果的な人間関係を実現しようという思考である。

インサイド・アウトとは、一言で言えば、自分自身の内面から始めるという意味である。

内面のもっとも奥深くにあるパラダイム、人格、動機を見つめることから始めるのである。

仕事でもっと自由な裁量がほしければ、もっと責任感が強く協力的で、会社に貢献できる社員になる。信頼されたければ、信頼されるに足る人間になる

才能を認められたければ(第二の偉大さ)、まずは人格(第一の偉大さ)を高めることから始めなければならない。

インサイド・アウトのアプローチでは、公的成功を果たすためには、まず自分自身を制する私的成功を果たさなくてはならない。

自分との約束を果たすことができて初めて、他者との約束を守ることができる。

人格より個性を優先させるのは無駄なことだ。

自分自身を高めずに他者との関係が良くなるわけがない。

インサイド・アウトは、人間の成長と発達をつかさどる自然の法則に基づいた継続的な再生のプロセスである。

また、上向きに成長する螺旋であり、責任ある自立と効果的な相互依存という高みに徐々に近づいていくことだ。

アウトサイド・イン(外から内へ)のパラダイムに従った人は、おしなべて幸福とは言い難い結果となっている。被害者意識に凝り固まり、思うようにいかないわが身の状況を他の人や環境のせいにする。

インサイド・アウトは現代社会の大半の人々にとって劇的なパラダイムとなる。

個性主義のパラダイムを持ち強烈な条件づけを受けている人は特にそうだ。とはいえ、私の個人的経験、また何千という人々と接してきた経験、さらには成功を収めた歴史上の人物や社会を仔細に調べた結果から確信したことは、「7つの習慣」としてまとめた原則は、私たちの良心と常識にすでに深く根づいているものばかりである。

自分の内面にあるそれらの原則に気づき、引き出し、生かせば、どんな困難な問題でも解決できる。

そのためには新しい、より深いレベルの考え方「インサイド・アウト」へとパラダイムシフトすることが必要である。

あなたがこれらの原則を真剣に理解しようとし、生活に根づかせる努力をするとき、T・S・エリオット(訳注:英国の詩人)の次の言葉の真実を幾度となく実感することだろう。

探求に終わりはない。すべての探求の最後は初めにいた場所に戻ることであり、その場所を初めて知ることである。

 

 この続きは、次回に。

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