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知識ゼロからのイノベーション入門⑥

第7話 負ければゼロ。イノベーション企業も競争はシビア。

 

・  負けるとライバルが儲けて二重の打撃

    ゲイツは負けが嫌いだ。常に勝ち続けたい。

    ライバルに負けることは絶対に許せない。

    負けないためには競争相手のことを知り、競争相手を市場から叩き出すことが必要だ。

 

・  競争相手を減らせ

    ゲイツは1980年代の始め、しばしばこんな言葉を口にしている。

    「デジタル・リサーチ(OS会社)を叩き出してやろう」

    「マイクロプロ(ワープロソフト会社)とロータス(表計算ソフト会社)を業界から叩き出してやる」

    強力なライバルを圧倒できれば、「その後に挑戦してくる相手は、そんなに多くはない。

    ゲームの理論からすると、競争相手が少ないほど、勝つ可能性が大きくなるのさ」と言っている。

    イノベーションを起こす企業は、マイクロソフト1社で十分だった。

    やがて業界を制覇した1990年代後半、ゲイツは「ライバル?」と聞かれ、

    「怖いのはガレージでまったく新しい何かを生み出そうとしている奴らだ」と答えた。

    ガレージとは、ベンチャー起業の象徴である。

    その言葉通り、グーグルやアマゾンが、インターネットの世界でイノベーションを始めたのである。

 

第8話 契約はロイヤルティ方式で。大手企業の食い物になるな。

 

・  受注さえできれば開発者は見つける。

    ゲイツは、製品は受注後につくればいいという考え方をIBMの仕事で進化させた。

    条件は過酷で、開発期間は1年もなかった。

    ゼロから開発していては、絶対に間に合わない。特にOSが問題だった。

    どこからか入手できなければ、すべてが終わる。

    相手が幸運にも見つかった。

    シアトル・コンピュータという会社が、うってつけのOSを開発していたのだ。

    マイクロソフトは、同社に2万5000ドル(後に裁判を経て100万ドル)を支払って、

    DOS(ディスク・オペレーティング・システム)と呼ばれることになるOSの権利を買い取った。

    1981年、IBMはパソコンを発売し、それに搭載されたIBM-DOSがパソコンの新たな標準となった。

    マイクロソフトは、DOSをIBM以外にも供給、それらはMS-DOSと呼んでいる。

    自分たちでつくり出さなくても、買い物に行けばいいというゲイツの割り切りが、

    IBMとの難しい仕事に導いたのである。

 

・  買い取り契約をしない。ロイヤルティ契約で未来を開く。

    ゲイツは、IBMとの契約では売上の何%かを受け取るロイヤルティ契約に固執した。

    ゲイツが粘ってロイヤルティ契約を結んだことが、マイクロソフトの驚異的な成長につながった。

 

この続きは、次回に。

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