お問い合せ

会計は「ザックリ」のほうがよくわかる! ⑯

おわりに

 

本書『会計は「ザックリ」のほうがよくわかる!』を読み終えて、いかがでしたか?

「会計って思っていたより難しくないし、意外と実際に役立つかもしれない!」と思って

いただけましたか?

本書は、会計的な考え方のエッセンスをストーリーマンガ形式でまとめて表現してみました。

ただ、本文の中で少し英語が多すぎて読みにくかったと感じられた方もいらっしゃると思います。

マンガの舞台が外資系企業ということもあり、できれば英文会計の触りだけでもお伝えしたいと思い、

少し欲張り過ぎてしまいました。

最後に、読者のあなたに「会計もバランスが大切」ということをお伝えして締めくくりたいと思います。

バランスをとることは人生でもビジネスでもとても大切なことです。

特に会計の分野では、常にものごとをバランスよく見ることが要求されます。

というよりは、会計自体がものごとをバランスよく見るためのツールだと思います。

企業経営では、売上だけではなく原価や経費にも気配りが必要です。

しかし、原価や経費を減らし、利益を増やすことばかり考えて肝心要の売上が減ってしまっては

本末転倒です。キャッシュを増やすことは大事ですが、キャッシュを効率よく事業に投資しなければ

宝の持ち腐れです。

売掛金は早く回収することに越したことはありませんが、厳しい支払条件のために売上の

チャンスを逃してしまっては何にもなりません。

そうは言っても、無理して売った売掛金が回収不能となってしまっては元も子もありません。

在庫は多いほど品揃えもよく納期が短くなり、売上が増えるかもしれません。しかし、

仕入も増えるし売り残ってしまうと不良在庫になってしまうかもしれません。

会計がわかるようになるということは、数字に慣れ親しみ、数字を比較・分析するクセがつき、

数字からストーリーを読み解いたり、シナリオ(仮説)を作ったりできるようになることです。

そして、数字を使ってものごとをロジカルに説明(説得)できるようになれば、あなたはもう

立派な会計プロフェッショナルの一員です。

会計は、日々の事業活動の内容を仕訳して勘定科目と数字で決算書にまとめ、会計という共通言語で

企業の財政状態と経営成績を社内外の人たちとわかりやすくコミュニケーションするためのツールです。

本書の主人公・直美さんも後半のシーンでクライアントに対し自分の仮説を数字を使って

論理的に説明しているように、会計という同じ土俵で情報を伝えたり議論したりする

コミュニケーションこそが重要なのです。

あなたが本書をきっかけにして、会計の本質を理解され、会計をより深く学んでいくことで

自分の考えを数字でまとめ、相手にわかりやすく伝えることができるようになれば、

今後のあなた自身の仕事の一助になることは間違いないと思います。

本書でフォーカスしたのは会計の知識やスキルだけではなく、会計的な考え方やアプローチの仕方です。

本書を読んでいただき、「会計って以外と面白いんだ!」「会計が少しわかったおかげで

ものの見方が変わった!」「数字を使った説明が上手になった!」「英文会計もそれほど難しくない!」なんて

思っていただけたならば、私にとっては本当に幸いなことです。

それではまた、次の本でぜひお会いしましょう!

 

平成26年9月

サンライズ・アカウンティング・インターナショナル

代表取締役 西山 昌彦

 

 

この続きは、次回に。

 

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