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認知症はもう怖くない ⑪

4章 〝効かない薬〟が認知症を増やしている!?

               ◉ 現代医療にも裏事情が潜む

 

「アリセプトは治療薬ではない」という現実

 

現在、アルツハイマー型認知症の薬物治療では、アリセプト、レミールなどといった抗認知症薬が

使用されます。すでに述べたようにこれらの薬は、認知症の根本的な治療薬ではありません。

単に進行を止めるものにすぎません。しかも、「進行を止める」といっても確実に止めるわけではなく、

ゆっくりとは進行してしまうのが現実です。

極端に言えば、どこまで効いているかよくわからないのです。

100年以上経ちますが、いまだにアルツハイマー病を退治する決定的な治療薬は開発されて

いません。アリセプトなどアルツハイマー型認知症は現在、認知症を根本的に治す薬ではなく、

進行を遅らせる薬として認められているに過ぎません。

もちろん、このことを製薬会社が隠しているわけではありません。

アリセプト錠(3mg、5mg、10mg)、アリセプト細粒(0.5%)の「効能・効用」には「アルツハイマー型

認知症及びレビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制」と書かれているし、「効能・効果に

関連する使用上の注意」の中の「両効能共通」には、さらにはっきりとこう記されています。

「本剤がアルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症の病態そのものの進行を抑制するという

成績は得られていない」これもまた残念なことですが、アリセプトは服用後一年ほどしか効果が

持続しないというのが、医学界の〝定説〟になっています。

 

なぜ〝効かない薬〟が処方されているのか

 

極端な言い方を用いれば、患者さんの怒りを買わないために「とりあえず薬を出しておこう」という

病院は、案外多いものです。

病院の経営事業も関係しています。

病院といえども、慈善事業ではありません。

医療法により広告活動は制限されていますが、事実上の営利団体であり客商売です。

要するに患者=お客様なのです。

では、病院にとって、どんな患者さんがいいお客様なのでしようか。

一般の客商売では、一度にどーんとお金を使ってそれっきりという人よりも、一回の出費は多くなくても、

何年にもわたって何度もやってきてくれるお客様のほうがありがたいといわれています。

じつは 病院にとっても、この図式はまったく変わりません。

風邪や慢性的な軽い症状の患者さんと長期間にわたって、〝生かさず殺さず〟でつきあう—-

これこそが商売繁盛のポイントなのです。

長い〝おつきあい〟のためには薬が不可欠です。

「薬をすぐに出してくれるお医者さんはいい先生」と考えている患者さんは少なくありません。

一時期ほどではないにしても、相変わらず続いている多剤大量処方。

その背景には病院の経営というやっかいな問題が横たわっているのです。

そしていまや認知症の患者さんも、病院とっては〝上客〟になりつつあります。

患者さんの数はますます増えていくし、〝効かない〟治療薬を出し続けることで長いおつきあいが

できる—-。おまけに抗認知症薬はそれほど副作用がありません。

多くの病院にとって、認知症の患者さんはいまや、〝歓迎すべき客〟なのです。

 

 

この続きは、次回に。

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