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ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本㊴

第10章   日本の問題—–日本の失敗と未来

 74 どうなる「政治主導」

                        —天下りは世界中にある

 

⚫️ 「官僚主導」は世界の体勢だ

官僚主導はあらゆる国にある。

政治主導の国は珍しい。アメリカやオーストリアなどの英語圏だけだ。

国家の秩序の安定のために、官僚主導は必要だ。

あとを継ぐべき指導層がいないのならば既存のものに頼るしかない。

日本には、官僚に代わって政治主導ができる組織がない。

アメリカは政治が任命した行政官と議会スタッフがいる。

これはまさにアメリカ的といえる。

日本には官僚以外の指導スタッフがいない。そのためか、日本の官僚層はかなりしぶとい。

大蔵省(当時)や日銀で不祥事が起きたとき、彼らは国民から激しくたたかれた。

しかし、官僚制度はびくともしていない。

 

⚫️ 「天下りは世界中にある」

天下りはアメリカでさえある。世界共通の慣行だ。

ドイツでは高い地位につけなかった官僚は業界団体に天下る。

フランスやイギリスでも官僚は銀行や証券のトップに天下るのだ。

日本の特徴は「天下りしたものは報酬はいいうえヒマだ」ということだ。

ヨーロッパでは仕事が多い。ドラッカーは天下りの「是非」を論じていない。

 

⚫️ 先延ばし戦術の限界が見えた

ドラッカーが指摘した日本の「先延ばし戦術」は成功してきた。

40年以上、多くの問題の解決を先延ばししてきた。

多額の補助金や財政出動でごまかしてきたのだ。

ただしもう限界にきている。

 

75  日本は多くの分野で失敗した

                —補助金と保護が原因

 

⚫️ 日本の失敗

日本はかつて低賃金、通貨安(円安)で国内の産業を守ってきた。

おかげで国際競争に勝っていた。しかし、経済危機が起きた。

いくつかの産業は国際競争力や国際的な金融力をつけることに失敗してしまったのだ。

政府は保護する対象を間違っていたのだ。

ドラッカーはいくつか日本の失敗例をあげている。

日本はコンピューター本体の製造に力を入れ、需要が増大していたハイテク産業や情報産業で立ち

後れた、と。

 

⚫️ 金融の穴を財政で埋め合わせ

日本中が浮かれたバブル経済。

株価は暴騰し借り手不足の銀行はさらに投資家に融資した。

最後にはバブルが弾け、持っていた土地は二束三文となり、多量の不良債権をかかえ込み、

日本経済はドロ沼に転落してしまった。

大蔵官僚(当時)の権限の縮小や規制緩和、大型の財政出動を行った。

しかし、大した成果はあがっていない。

 

⚫️ 農業の失敗

「日本の農業政策は明らかに失敗だった」(ドラッカー)

アメリカの農業人口は、日本と同じくらいだ。

かつては日本はアメリカの3倍も農業従事者がいた。

日本の農業の生産性は恐ろしく低い。

日本の官僚は農業問題を解決できなかった。

官僚は、非効率な農業従事者の多数さの「圧力」に負けてしまったのだ。

食料自給率は先進国中最低だ。

多量の補助金を注ぎ込みながら自給率は一向にあがらない。

農業の高齢化、小規模農業、後継者不足を招いた。

補助金と都市生活者の負担でまかなってきた。

 

 

この続きは、次回に。

 

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