お問い合せ

池上 彰のやさしい経済学2 ニュースがわかる ⑨

バブルへGO!—なぜバブルが生まれ、はじけたか?

—1989年12月29日、日経平均株価は3万8,915円をつけました。

この日は後に“バブル絶頂の時”と言われることになります。

今回はバブルがどのようにして起こり、どのように終焉したのか検証していきます。

日本が“土地高騰”“海外資産購入”を経て、“失われた20年”に至るまでの足取りをたどります。

 

そもそもバブルって一体なんだろう?

バブルは泡と言う意味ですよね。泡が膨らむように経済がどんどん活性化して景気が良くなって、

ありとあらゆるものの値段が上がり、給料も上がり、みんなが浮かれて世の中楽しいなと言っていたら、

それが経済の実態とはまるで関係のない夢、幻のようなものであったということになって気づく、

それがバブルです。

 

バブル崩壊:1990年にバブル経済が崩壊した。

その後の長期にわたる日本経済の停滞を指し「失われた20年」と言う。

 

日本人がいろいろなものを買いあさっていた

 

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バブルのきっかけプラザ合意

当時、日本の経済がどんどん発展して、アメリカに日本製品が大量に輸出されていました。

日本から安くていいものがどんどん入ってきて、アメリカの企業は日本の企業に太刀打ち

できなかったので、アメリカ議会が何とかしろと怒りました。

日本の製品がアメリカに大量に入ってこないようにするにはどうしたらいいか。

「円」を上げればいい。円高ドル安にすれば、日本からアメリカへ輸出される製品をアメリカで

買う値段が高くなる。一方で、ドル安ならアメリカは製品を安く輸出できます。

これでアメリカ経済を立て直そうとしたのです。

 

プラザ合意:1985年9月22日、ニューヨークのプラザホテルで開かれた5カ国蔵相会議(G5)における

ドル高是正のための合意

 

プラザ合意で一挙に円高ドル安が進んだ

プラザ合意によって、先進5カ国はドル安を進めるため為替市場への協調介入を実施しました。

各国の中央銀行は足並みをそろえ、大量のドルを売り出しました。

ここも需要と供給の関係です。

 

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急激な円高による円高不況と景気対策

さあ、円高になるとどういうことが起きるでしょうか。

日本のメーカーが自動車やテレビなどを輸出しようとすると、海外での値段が高くなってしまいますね。

急激な円高によって、海外でものが売れなくなり、日本の輸出産業が大打撃を受けました。

日本は不況に陥ったのです。この時には金利を引き下げるという方法をとりました。

日本銀行が公定歩合を引き下げたのです。

 

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低金利になって土地を買う企業が急増した

金利が低くなると、銀行からお金を借りやすくなります。

このとき多くの企業は低い金利でお金を借りて土地を買おうと考えました。

お金を借りて新しい工場を建てたり事業を始めたりした会社もありましたが、その一方で、

とりあえず土地を買っておけばすぐ土地の値段が上がるから、そこで売ってしまえば儲かるじゃないかと

考えて安易に土地を買うことが流行したのです。これを当時「財テク」と言いました。

財産を増やすテクニックです。

企業は、利益から税金や配当金を差し引いたお金を内部留保というかたちでとっておくのが一般的です。

とりあえず会社はうまくいって儲かった、でもやがて景気が悪化して経営が苦しくなるかもしれない、

その時に備えて儲かっているときにお金をためておこうと考えるわけです。

 

財テク:企業や個人が、本業以外に余剰資金などを株式・債券・土地などに投資して資産を

増やそうとすること。

 

内部留保:企業収益のうち、企業内部に蓄積される部分。

企業が得た利益から、税金、配当金、役員賞与などを差し引いた残りの部分。

 

財タクの背景にあった「土地神話」

この財テクの背景には「土地神話」というものがありました。

国土の狭い日本は土地が限られている。限られている土地の値段は、経済が上向くに連れて

上がっていくものだ。土地を買っておけばやがて必ず値上がりするとみんなが思ったんですね。

こうしてせっせと働いたお金で、あるいは銀行から安い金利でお金を借りて土地を買う企業が

次々と出てきました。銀行からお金を借りて土地を買うときは、その土地が担保になります。

担保とは、お金を借りるときに、もしお金が返せなくなったらこれを差し出します、と提供することです。

 

担保:債務者が債務を履行できなくなった場合、その弁済を確保する手段として債権者にあらかじめ

提供しておくものです。

 

 

この続きは、次回に。

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