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医師いらずで「糖尿病」「高血圧」がみるみる良くなる治療法!⑱

第5章 国民総スリム化の巧妙な罠

 

◯ 識者インタビュー

      大竹 真一郎 日本内科学会総合内科専門医

            日本消化器病学会専門医

 

38.「健康情報に騙されないリテラシーを身につけよう」

 

◉ 糖質制限ダイエットとメタボ検診の是非

 

なぜ、私たちは健康情報に踊らされてしまうのでしょう?

それは「ゴール」をきちんと決めていないからです。

 

39. ゴール(目的)を設定すればリテラシーは一気に高まる

 

他人と比べてどうこうではなくあくまでも自分にとってどうなのか考えて

 

結局、医療行為というのは確立の問題へと収束していきます。

よりたくさんのデータを集めて、ケーススタディを揃えて、最も高い確率の方法をベット(賭ける)する、

それが現代の医療行為なんです。

 

 40. “トクホ”を信じてはいけない

 

「薬はあまり飲みたくない」「病院へ行くのが面倒」などと手軽に買えるトクホを選ぶ人も

少なくないかもしれませんが、トクホはあくまで食品であって、多少の効果はあるにせよ気休め

程度にすぎません。

トクホに使われている成分のなかには医薬品の候補だったものや、効能が認められなかったために

医薬品になれなかったものなどがあります。

 

もちろん国が認めているのである程度の効果はありますが、データをよくみると非常にいい効果が

でたかのように、上手に加工されている例も少なくありません。

 

41. 業者にとっては美味しいとこ取りのトクホ

 

またトクホを取得するためには審査を受ける必要がありますが、代行を請け負う会社なども存在し、

数千万円を払えば取得できるともいわれています。

トクホの商品が大手メーカーに多いのもこれが関係しているといわれています。

 

トクホだからとむやみに手をだすと、自分に合っていない物を選んだ場合などは全くその効果が

ないばかりか、逆効果になる場合もあります。こうした事情を知っている専門家の中には「『トクホ』と

書いてある商品は絶対に選ばない」という人も少なくありません。

本当に自分にとって必要なのか、その名前に騙されずに見極める力を消費者も養って行く必要が

あるのです。

 

42. 医療ワールドの思惑に左右されない暮らし

 

「メタボだと早死にする」

「カロリーを制限して、ダイエットに励むべし」

「血圧やコレステロール値は高いと危ない」

世の中には、そんなメッセージがあふれています。

そして、健康志向が強い人ほど、そうしたメッセージを信じて食事に気を使ったり、検診をこまめに

受けたりしています。

しかし、そうした行動がほんとうに、健康や長生きに結びついているか、みなさんは考えたことが

あるでしょう。

 

定期的に健診を受けた人たちのグループで、病気と診断されて治療される人が増えたにもかかわらず、

健診を受けなかった人たちと比べて死亡率は減らなかったのです。

 

定期的に健診を受ける人たちは、健康志向が強いと考えられます。

そうした人たちほど「病気」が見つかるわけですから、薬を飲む人も増えるでしょう。

しかし実際には、それが長生きには結びついていなかったのです。

だとしたら、健診を受けることも、薬を飲むことも「無駄」としかいいようがありません。

にもかかわらず、日本人は医療費に莫大なお金を浪費し続けており、今や40兆円にまで膨らんで

しまいました。

なぜ、このような無駄な医療が蔓延してしまうのでしょうか。

その第一の要因は、製薬業界にあるでしょう。

薬を売りたい製薬業界は顧客、すなわち「病人」をひとりでも増やすため、自分たちに都合のいい

研究や発言をしてくれる医学界の指導者たちに、寄附金や講演料といったかたちで様々な経済的

便宜を図ってきました。そして、医学界の指導者たちも製薬会社の期待に応えるかのように、

薬を売るのに都合のいい論文や基準値、ガイドラインを作成してきました。

国も、そうして作られた基準値やガイドラインにお墨付きを与えて、医療政策に反映させてきたのです。

こうして、製薬会社、医学界、官僚が一体となって国民を病人に仕立て、莫大な医療費をわけ合う

「医療ワールド」が形づくられているのです。

 

43. 健康長寿に必要なのは「薬を飲むこと」ではない

 

そもそも、健康で長生きするために大切なのは、薬を飲むことではありません。

 

国立がん研究センターが『化学的根拠に基づくがん予防』という小冊子をだしています

それによると、がん予防のために推奨される健康習慣は、

「禁煙する」

「節酒する」

「食生活を見直す」

「身体を動かす」

「適正体重を維持する」のたった5つです。

 

全て当たり前のことのように思われるかもしれませんが、これが大規模な住民研究などから導きだされた、

最新の研究結果に基づく知見なのです。

この5つを実践するだけで、なんとがんのリスクは半分に減るそうです。

そして、お気づきかもしれませんが、これらの健康習慣は、すべて適正な血糖値や血圧、

コレストロール値の維持にも通じることばかりなのです。

お金をかけて特別なことをするのではなく、当たり前に健康な生活を心がける。

これが、万病の予防や健康長寿のために、もっとも大切だということを理解していただけたのでは

ないでしょうか。

もちろん必要な場合には、医療の力を借りるべきです。

医療の力を借りなければなおらない病気や、生活を維持できないこともあるからです。

医療を全否定してしまうのはよくありません。

 

第5章 まとめ

 

一 都合よく作られている

   トクホのデータを鵜呑みにしてはいけない

 

二 がんも生活習慣病も、

   当たり前の健康習慣を実践すれば予防できる

 

三 健康な人を病人にし、薬漬けにする

   医療ワールドの思惑に左右されるな

 

 

 

この続きは、次回に。

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