お問い合せ

危機の時代 ジム・ロジャース ⑯

・40失敗しても、3つ成功すればいい

 

私はたくさんの失敗を犯した一方で、いくつかの成功を収めた。

失敗も多かったが、成功は非常に大きいものだった。

40の失敗を犯しても、3つの成功を収めたと言っていいだろう。

だが、これら3つの成功はとても大きかった。

 

投資の世界には「損失を減らして、成功を 収めよ」と言う格言がある。

この言葉は、40の失敗と3つの成功と同じようなものだ。

3つの成功が素晴らしく、40の失敗による損失を補って、大きな利益を

確保できたらそれでいい。

大きな成功を収め、その後の失敗した場合は損失を減らすことが大事になる。

それが投資の世界の鉄則だ。

さまざまなチャレンジをしてたくさん失敗したとしても、大成功がそれを

帳消しにする。

 

日本という国は人々を失敗させたがらない。

すでに述べたように、バブル崩壊後の1990年代、日本は経営が立ちいかなく

なった企業を簡単には破綻させなかった。

人々が失敗を許さないカルチャーが日本にあるからだろう。

だから日本では「失われた10年」とも言われる経済の長期的な停滞が

30年も続いている。

日本人は失敗を恐れ、失敗することを望まないようにさえ思えるが、本当に

それでいいのだろうか。

 

日本には、失敗を恐れる文化が常に存在していたわけではない。

戦国時代の武士たちは挑戦的にあふれていた。

数千年の日本の文化を知っているわけではないが、相撲一つをとっても、

成功した力士とそうでない力士がおり、横綱や大関と言ったランク付けが

なされている。

つまり人々が失敗を避けようとするような考え方は、日本にずっと存在して

いたわけではない。

私は失敗を恐れることが、常に日本の考え方の一部であったと思っていない。

しかし、私は挑戦することに消極的な文化が、現在の日本では広く普及して

いることを知っている。

米国には、かつてほどではないが、失敗を許す文化がある。

米国の社会では失敗は正常なことであり、理解され、受け入れられてきた。

最近は変化しているものの、伝統的に米国は失敗に寛容なことで知られている。

 

・投資するチャンスの見つけ方

 

投資する際には、どのようなチャンスがあるのか。

 

例えば、政府がある問題を解決することを決めた場合、多額のお金を投じる

ケースがある。それは結果的に、誰かがたくさんのお金を稼ぐことを意味する。

政府が正しいか間違っているかは関係ない。

政府はたくさんのお金を使うので、関連する事業に携わる企業は利益を

手にすることだろう。

それがポイントだ。誰かがたくさんのお金を稼ごうとしている。

 

どの政府も、ある問題を解決することを決めるときは、間違っているのかも

しれない。それは問題解決ではなく、むやみに多くのお金を使うことに

なりがちだ。だから誰もがたくさんのお金を稼ごうと群がってくる。

 

私が注目していることの1つは、政府が「このような問題がある。

この問題を解決したい」と言うのを知った時だ。

そして、誰がお金を手に入れるかを考える。

その後、利益を得られそうな会社に投資し、儲けの一部を手に入れようとする。

 

最近、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資が話題になっているが、それが

良いことかどうかは関係ない。

間違いなく、誰かがたくさんのお金を稼ぐことになる。

人々はESG経営を実践する企業は良いと言ってるが、彼らの言葉をそのまま

信じるべきではない。

 

現実を見ないで、自分が好きなものや欲しいものにやみくもに投資しても、

なかなか成功しない。あなたが望むものではなく、現実の世界に即した

投資話する必要がある。

 

例えば、あなたが空を青くしたいと願ったとしよう。

空が本当に青くなり、そこに投資できれば素晴らしいのだが、それは世界の

あるべき姿ではない。

自分がそうあって欲しいと願うもの、希望するものに投資するのは難しい。

だから願望に投資しないでほしい。

希望よりも、現実に対して、投資する必要がある。

それこそが、あなたが成功する道だ。

 

日本は世界中のさまざまな国の中で、私が最も好きな国の一つだ。

 

日本が大好きだが、借金や少子化など問題が多いため、今は日本に投資

していない。もちろん将来日本に投資しないという意味ではなく、機会が

あれば投資するつもりだ。

 

私は日本が好きだからといって投資することはしない。

日本が恐ろしい過ちを犯しているなら、いくら大好きでも決して投資しない。

もちろん今回の危機で日本経済が崩壊したなら、投資のチャンスが生まれる

だろう。

 

 

この続きは、次回に。

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