お問い合せ

知の巨人 ドラッカーに学ぶ ③

時間—ドラッカーによれば、成果をあげる者は仕事からスタートしない。

   時間が何にとられているかを明らかにすることからスタートする。

   時間を記録する、整理する、まとめる、の三段階にわたるプロセスが成果をあげるための

   時間管理の基本となる。その第一歩は、時間の使い方を記録することである。

   自分の時間の使い方をリアルタイムで記録することである。継続して時間の記録を取り、

   その結果を毎日見ていく。その作業を継続し、最低でも1年に2回、3.4週間にわたって記録を

   取れば、成果には何も寄与しない仕事に流され、ささいなことに時間を浪費していたことに多くの

   人々が気づくだろう。

成果—成果をあげるために身につけておくべき習慣的な能力は五つある。

            第一に、自分の時間が何にとられているかを知ることである。

                残されたわずかな時間を体系的に管理することである。

            第二に、外の世界に対する貢献に焦点を合わせることである。

            第三に、強みを基盤にすることである。自らの強みと人の強みを基盤にすることである。

            第四に、優れた仕事が際立った成果をあげる領域に力を集中することである。

                優先順位を守るよう自らを強制することである。

            第五に、成果をあげるよう意思決定を行うことである。

知識—知識は高度化するほど専門化し、専門化するほど単独では役に立たなくなる。

   他の知識を連携して役に立つ。知識は、他の知識と結合したとき爆発する。

   得意な知識で一流になると同時に、他の知識を知り、取り込み、組み合わせることで

   大きなパフォーマンスをあげられる。

情報—ITで重要なのは、I(情報)であって、T(技術)ではない。

人事—人事とはマネジメントの究極の手段なのである。

利益—利益には三つの役割がある。

   第一に、事業活動の有効性と健全性を評価策定する。

   第二に、陳腐化、更新、リスク、不確実性をカバーする。

          この観点から見るならば、いわゆる利益なるものは存在しないことになる。

          事業継続のコストがあるだけだ。こうしたコストをカバーすることは、企業の責任

          そのものである。

   第三に、直接的には社内留保による自己金融の道を開き、間接的には事業に適した形での

         外部資金の導入要因となることによって、事業のイノベーションと拡大に必要な資金の

        調達を確実にする。

倫理—医師、弁護士、ビジネスマンのいずれであろうと、顧客に対して必ずよい結果をもたらすという

          保証を与えることはできない。最善を尽くすことしかできない。

          しかし、知りながら害をなすことはしないという保証は、与えなければならない。

          顧客となる者は、知りながら害をなすことはないと信じられなければならない。

          これを信じられなければ、何も信じられない。したがって、「知りながら害をなすな」との

          言葉こそ、プロとしての倫理の基本であり、社会的責任の基本である。

変化—チェンジ・リーダーとなるためには、機会に人材を割り当てることが必要である。

          そのための確実な方法の一つが、一方で機会を列挙し、一方で有能な人材を列挙する

          ことである。機会の重要な順にそれらの有能な人材を割り当てていく。

          チェンジ・リーダーとなるための条件の一つが、カイゼンである。

          あらゆる組織が、自らの製品、サービス、プロセス、マーケティング、アフターサービス、

          技術、教育訓練、情報のすべてについて、体系的かつ継続的なカイゼンを図っていかなければ

          ならない。カイゼンは積み重ねによって、すべてを変える。

          本物の変化とは、人が行うことであり、流行とは人がいうことである。

          話にしか出てこないものは流行である。そして、それらの変化を機会として捉えなければ

          ならない。最初から脅威としてしまったら、もはやイノベーションは無理である。

          何事であれ、目論見と違うからといって無視してはならない。

          予期せぬことこそ、しばしば最高のイノベーションの機会となるのだ。

戦略—ドラッカーは「善意では山は動かない。山を動かすのはブルドーザーである。」との名言を吐いた。

          使命と計画は善意にすぎない。戦略がブルドーザーである。戦略が山を動かす。

          成果を求めて働くようにさせてくれるものが戦略である。戦略が意図を行動に変える。

          いかなる資源と人材が必要かを明らかにする。

 

この続きは、次回に。

 

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