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新装版 こころの朝 イソップ寓話①

第1章      大人の「イソップ寓話」

イソップ1

感謝の心を失い、恩を仇で返す者は、必ず破滅する

ブドウの葉を食べたシカ

 

恩を仇で返す者は、必ず破滅する。

「恩」とは、原因-因を知る心-心と書く。

今の「私」があるのは、どなたのおかげなのか。

恩師に出会わなければ——。

両親の庇護がなければ——。

朋友に恵まれなければ—–。

感謝の心を失い、平然と裏切る者は、このシカと、何ら変わるところがない。

 

この世で最も不幸な人は 感謝の心のない人である

 

イソップ2

調子のいい時が、いちばん危ない

ライオンに挑んだ蚊

 

やはり、人間にとって、いちばん恐ろしいのは、慢心、うぬぼれ心である。

成功したり、希望がかなったりすると、うれしさのあまり、つい気が緩む。

その心のスキが、時によっては、致命的な失敗を招いたりする。

日本でも、古来、「勝って兜の緒を締めよ」と戒められてきた

 

イソップ3

自分の行為が、どういう結果を引き起こすのか、よく考えから行動せよ

井戸へ飛び込んだヤギ

 

後悔、先に立たず。

「あれをしたい」「これをしたい」という思いが、次々にわいてくる。

だが、後先を考えずに行動すれば、破滅を招いたり、人に迷惑をかけたりするのが落ちである。

「自分の行為が、どういう結果を引き起こすのか、よく考えてから行動せよ」と、この話しは教えている。

 

夕べに熟慮して 朝あしたに断行

 

イソップ4

困っている人があれば、親切にしてあげよう

池に落ちたアリ

 

「情けは人の為ならず」—情けはその人のためにならない、と解釈するのは誤り。

—といわれるように、困っている人がいれば、できるだけ親切にしてあげよう。

それは、いずれ、巡り巡って自分に返ってくるのだから。

 

イソップ5

名誉欲が、不幸を招くことが多い。しかも死ぬまで捨て切れない

ネズミとイタチの戦争

 

名誉欲が、不幸を招くことが多い。

しかも死ぬまで捨てきれない。

歴史上、数え切れないほどの人々が、この名誉欲に殺されている。

 

イソップ6

悪意を持っている者には、何を言っても通用しない

オオカミに狙われた子ヒツジ

 

他人が理不尽なことを言ってきた時に、いちいち言い返したり、腹を立てたりしていたら、

エネルギーを消耗するだけである。

悪意を持っている人、根本的に考え方が違う人には、何を言っても通用するはずがない。

説得しよう、分からせようとして近づくと、どんどん自分が悪縁に染まってしまう。

そんな相手には、かかわらないほうがいい。さっと身をかわして、遠ざかったほうがいい。

私たちが幸せになったり、苦しんだりするのは、いちばん大きな影響を与えるのは「人間」である。

人との出会いが、人生を大きく変えていくのだ。

常に、前向きなことを言ったり、やったりすることに、心がけている人を選んで近づくようにしていきたい。

 

 

この続きは、次回に。

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