完訳 7つの習慣-人格の回復-3
バランスの欠如
現代のテクノロジーの驚異をうまく駆使して効率を高めよう、有能な人間になろうと誰もが必死で努力している。
それなのになぜ、ますます仕事に追われ、健康、家族、誠実さなど、自分にとってもっとも大切なものを仕事のために犠牲にしなければならないのだろうか?
問題は、「もっと早く出勤し、もっと遅くまで残業しなさい、もっと効率的に働きなさい。今は忍耐あるのみ」という現代社会の要求である。
だが、実際にはこうした社会の求めに応じていたら、心の平和やバランスのよい生活は得られない。
自分にとってもっとも重要な事柄を明らかにし、それを誠実に実行して初めて得られるのである。
「利己主義」
私たちの文明の歴史を振り返れば、偉大な業績の多くは、自立した個人の揺るぎない決意のもとで成し遂げられたことがわかる。
しかしながら、この知識労働者時代においては、個人ではなく「私たち」という概念を心から理解し、実践し、内面化した人たちが、最大の機会、無限の可能性を手にできる。
すべての人に成功が行きわたってなおあまりあると考える「豊かなマインド」を持つ人、他社を尊重し、お互いの利益のために無私の気持ちで働く人によってこそ、真の優れた業績はなされるのである。
理解されたいという渇望
人の持つ欲求の中で、他人から理解されたいという欲求ほど切実なものはないだろう。
ほとんどの人は、影響力の鍵はコミュニケーション力にあると思っている。
あなたが相手に影響を与えられるのは、相手があなたに影響を与えていると感じたときからである。
自分が理解されていると感じたとき、あなたが本心から真剣に話を聴いてくれたと感じたとき、あなたが心を開いてくれたと相手が感じたときに初めて、その人に影響を与えられようになるのである。
しかしながら影響力を与えるということは、たとえ、1人でも真剣に聴いてくれる他者との相互理解という原則に基づくものである。
対立と相違
妥協は、両者がそれぞれの立場を明確にし、お互いに受け入れられる中間点まで歩み寄るという巧みな解決策と言えるかもしれないが、それでも双方ともに満足する解決策ではない。
考え方が違うからといって、解決策を最低の共通点まで引き下げなければならないのは、何とももったいない話だ。
妥協せず、創造的協力という還俗に従えば、双方が最初に持っていた考え方を上回る素晴らしい解決策を生み出せるのだ。
言葉の勉強
バランス(balance)とは、ラテン語の「bilanc」という単語が語源になっており、これは「二つのお皿」「天秤」を意味する。
現在の英単語として「balance」と言えば「天秤」「釣り合い」「均衡」「平静」「安静」「安定」なども意味する。
概要
バランスとは、「つり合いを取る事」「つり合いが取れている状態」などを意味する単語である。
日本でも「バランスが取れている」「バランスが悪い」など半ば日本語して定着している感がある。
物理的な安定以外にも「心のバランス」など、心の安定についても使われる。
コミュニケーション能力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コミュニケーション能力(コミュニケーションのうりょく、communication ability)とは、一般的に「他者とコミュニケーションを上手に図ることができる能力」を意味する。
これに対してコミュニケーションスキル(communication skill)とは、人と人の間でコミュニケーションをとる方法・手法・テクニックを理論付けし、検証を行い技術または知識としてまとめたもの。
コミュニケーション能力とコミュニケーションスキルを同義に扱う企業も多い。なお、「相手の目を見てはきはきと話す」「アフターファイブは同僚と酒を酌み交わして親睦を深める」といった、人と直接会うことに伴う能力のみをコミュニケーション能力とするのは誤用であり、電子メールや手紙による、顔を一切合わせない付き合いでもコミュニケーション能力は問われる。
この続きは、次回に。