完訳 7つの習慣-人格の回復-4
私的停滞感
人間の本質には四つの作面がある。
肉体、知性、心情、精神である。
これらの四つの本質に対する現代社会と原則のアプローチの違いを見ていこう。
・ 肉体
現代社会の傾向:生活習慣を改善せずに、健康上の問題は手術や薬で治療する。
原則:健康に関して、すでに確立され受け入れられている普遍的に原則に沿ったライフスタイルによって、病気や健康上の問題を予防する。
・ 知性
現代社会の傾向:テレビを見ながら娯楽にふける。
原則:幅広く深く読書し、継続的に学ぶ。
・ 心情
現代社会の傾向:私利私欲のために、他人を利用する。
原則:敬意を払い、話を真剣に聴き、他者に仕えることが真の達成感と喜びをもたらす。
・ 精神
現代社会の傾向:世俗主義と皮肉が増長する風潮に身を任せる。
原則:人生を前向きにとらえることができるもの、人生に意味を見出そうとする基本的なニーズの源には原則があることを認識している。
その自然の法則の源として私が個人的に信じているのは、神である。
死の床にあって思うのは、家族や愛する者のことである。
人は誰かのために生き、最期はその人たちのことを思うのだ。
偉大な心理学者のアブラハム・マズローも人生を終えるとき、自分自身の自己実現欲求(マズローの説く「欲求の段階」の最終段階)よりも、子孫の幸福、達成、貢献を願ったという。
彼らはそれを自己超越と呼んでいた。
これから「7つの習慣」を読み始めるあなたに刺激に満ちた学びの昌陰を約束しよう。
あなたが学んだことを愛する人たちに教えてあげてほしい。
そして何よりも、学んだことをすぐに実践してほしい。
実行に移さなければ本当に学んだとは言えない。
知識を持っていてもそれを実行しないのは、知っていることにはならないのである。
2004年ユタ州プロボ市にて
言葉の勉強
アブラハム・マズロー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アブラハム・ハロルド・マズロー(Abraham Harold Maslow, 1908年4月1日 – 1970年6月8日)は、アメリカ合衆国の心理学者。
ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区に生まれる。彼は人間性心理学の最も重要な生みの親とされている。これは精神病理の理解を目的とする精神分析と、人間と動物を区別しない行動主義心理学の間の、いわゆる「第三の勢力」として、心の健康についての心理学を目指すもので、人間の自己実現を研究するものである。彼は特に人間の欲求の階層(マズローの欲求のピラミッド)を主張した事でよく知られている。マズローは人間についての学問に新しい方向付けを与えようとしたが、彼の著作はそれ以上に内容豊かなものになっている。著書、雑誌論文は100編以上に及び、アカデミックな心理学のみならず、教育や経営学のような隣接領域にまで彼の思索は及んでいる。
生涯[編集]
マズローは、20世紀初めにポグロムをのがれてアメリカに移住したユダヤ系ロシア人移民(貧困家庭)の長男(下に六人の弟・妹)として、ニューヨーク・ブルックリンに生まれた。高校卒業後ニューヨーク市立大学シティカレッジに入学。同大で2年間法律学を学ぶ。ウィスコンシン大学に転校し、心理学をまなび、1930年卒業。同大学で1931年心理学の修士号を取得。1934年に心理学博士号を取得した。1937年、彼はニューヨーク市立大学ブルックリン校から教授として招聘を受け、着任。1951年にはユダヤ系の大学として有名なブランダイス大学に移り、1969年まで在職した。1962年、「ヒューマニスティック心理学会」を設立。1967年–1968年、アメリカ心理学会会長。以後、自ら提唱する人間性心理学の旗頭として活躍し、自己実現、創造性、価値、美、至高経験、倫理など、従来の心理学が避けてきた、より人間的なものの研究に道を開いた。
マズローの人格理論は、通称「自己実現理論(欲求段階説)」と呼ばれ、心理学のみならず、経営学、看護学など他の分野でも言及される。
1967年にマズローは「今年のヒューマニスト」に選出される。後にマズローは、1970年6月8日、心臓発作で亡くなった。ヒューマニスティック心理学に対応した哲学・倫理学を打ち立てるという彼の学術的な企ては、結局未完のままに留まった。
この続きは、次回に。