完訳 7つの習慣-人格の回復-12
7つの習慣とは
人格は繰り返し行うことの集大成である。
それ故、秀でるためには、一度の行動ではなく習慣が必要である。
——アリストテレス
私たちの人格は、習慣の総体である。
「思いの種を蒔き、行動を刈り取る。行動の種を蒔き、習慣を刈り取る。
習慣の種を蒔き、人格を刈り取る。人格の種を蒔き、運命を刈り取る」という格言もある。
偉大な教育者だったホームレス・マンは、「習慣は太い縄のようなものだ。毎日1本ずつ糸を撚り続けるうちに、断ち切れないほど強い縄になる」と言っている。
習慣は、身につけることも、断ち切ることもできる。
だがどちらにしても、応急処置的な手段は通用する。
強い意志を持ち、正しいプロセスを踏まなくてはならない。
習慣の引力も非常に強い。ほとんどの人が考える以上の強さである。
先送り、短気、批判、わがままなど、人間の効果性を支える基本の原則に反する癖が根づいてしまっていたら、ちょっとやそっとの意思の力ではとても断ち切れない。
生活を足しよう変えるだけで断ち切れるものではない。
「リフトオフ」には並外れた努力が要る。
しかし引力からいったん脱出できれば、まったく新しい次元の自由を手にできるのである。
全ての自然の力がそうであるように、引力はプラスにもマイナスにも働く。
習慣の引力は、あなたが行きたい場所に行くのを妨げているかもしれない。
しかし引力によって私たちは地に足をつけていられるのであり、引力が惑星を気道に乗せ、宇宙の秩序を維持しているのも事実である。
このようにとても力があるからこそ、習慣の引力も効果的に使えば、人生に効果性をもたらすために必要なバランスと秩序を生み出せるのだ。
「習慣」の定義
本書では、知識、スキル、意欲の三つが交わる部分を習慣と定義したい。
まず知識は、何をするのか、なぜそれをするのかという問いに答える理論的なパラダイムである。
スキルはどうやってするのかを示し、意欲は動機であり、それをしたいという気持ちを示す。
人生において効果的な習慣を身につけるには、これら三つ全てが必要である。
自分の意見を言うだけで人の話に耳を傾けなければ、同僚や家族など周りの人との関係はうまくいかないだろう。
人間関係の正しい原則の知識がなかったら、人の話を聴くことが必要だと思いもしないかもしれない。
効果的に人間関係のためには相手の話を真剣に聴くことが大事だと知ってはいても、そのスキルを持っていないかもしれない。
人の話を深く聴くスキルがなければ、確かな人間関係は築けない。
聴きたいと思わなければ、つまり意欲がなければ、習慣として身につくことはない。
習慣にするためには、知識、スキル、意欲の三つがすべて機能しなければならない。
自分のあり方/見方を変えることは、上向きのプロセスである。
あり方を変えることによって見方が変わり、見方がかわれば、さらにあり方が変わる、というように螺旋を描きながら上へ上へと成長していく。
知識、スキル、意欲に働きかけることによって、長年寄りかかっていた古いパラダイムを断ち切り、個人としての効果性、人間関係の効果性の新しいレベルに到達できる。
幸福とは、最終的に欲しい結果を手に入れるために、今すぐ欲しい結果を犠牲にすることによって得る果実に他ならない。
言葉の勉強
リフトオフ 【liftoff】デジタル大辞泉の解説
この続きは、次回に。