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完訳 7つの習慣-人格の回復-13

成長の連続体

 

「7つの習慣」は、成長という自然の法則に従い、連続する段階を踏んで、個人の効果性、人間関係の効果性を高めていく総合的アプローチである。

依存から自立へ、そして相互依存へと至る「成長の連続体」を導くプロセスである。

成長の連続体は、依存あなたというパラダイムを意味する。

あなたに面倒をみてほしい、あなたが結果を出さなかった。

結果がでないのはあなたのせいだ、というパラダイムである。

自立は私というパラダイムである。

私はそれができる、私の責任だ、私は自分で結果を出す、私は選択できる、ということである。

相互依存は私たちというパラダイムである。

私たちはそれができる、私たちは強力し合える、私たちがお互いの才能と能力を合わせれば、もっと素晴らしい結果を出せる、と考える。

依存状態にある人は、望む結果を得るために他者に頼らなくてはならない。

自立状態にある人は、自分の力で臨む結果を得られる。

相互依存状態にある人は、自分の努力と他者の努力を合わせて、最大限の成功を手にする。

現代社会でこれほどに自立が強調されるのは、今までの依存状態への反発とも言えるのではないだろうか。

他人にコントロールされ、他人に自分を定義され、他人に使われ、操られる状態から脱したいという気持ちの現れなのである。

相互依存は自立よりもはるかに成熟した状態であり、高度な概念である。

肉体的に他者と力を合わせることができる人は、自分の力で結果を出せるのは言うまでもないが、他者と協力すれば、自分一人で出す最高の結果をはるかに上回る結果を出せることを知っている。

感情的に相互依存の状態にある人は、自分の内面で自分の価値を強く感じられると同時に、他者を愛し、与え、他者からの愛を受け止める必要性を認識している。

知的に相互依存の状態にあれば、他者の優れたアイデアと自分のアイデアを結びつけることができる。

相互依存の段階に達した人は、他者と深く有意義な関係を築き、他の人々が持つ莫大な能力と可能性を生かすことができる。

相互依存は、自立した人間になって初めて選択できる段階である。

依存状態からいきなり相互依存の段階に達しようとしても無理である。

相互依存できる人格ができていないからだ。自己を十分に確立していないのだ。

以降の章で取り上げる第1、第2、第3の習慣は自制をテーマにしている。

これらは依存から自立へと成長するための習慣である。

人格の成長に不可欠な私的成功をもたらす習慣である。

まず私的成功が公的成功に先立つのだ。

種を蒔かなければ収穫できないのと同じで、私的成功と公的成功の順序を逆にすることはできない。

あくまでもインサイド・アウト、内から外へ、である。

真に自立した人間になれば、効果的な相互依存の土台ができる。この人格の土台の上に、個々人の個性を生かしたチームワーク、協力、コミュニケーションの公的成功を築いていく。これは第4、第5、第6の習慣になる。

第7の習慣は、再新再生の習慣である。

人間を構成する四つの側面をバランスよく日常的に再生させるための習慣であり、他のすべての習慣を取り囲んでいる。

成長という上向きの螺旋を生み出す継続的改善であり、この螺旋を昇っていくにつれ、第1から第6までの習慣をより高い次元で理解し、実践できるようになる。

 

 

この続きは、次回に。

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