完訳 7つの習慣-人格の回復-51
上向きの螺旋
再新再生は、成長と変化を繰り返しながら、螺旋階段を登るようにして自分自身を
継続的に高めていく原則である。
この螺旋階段を確実かつ継続的に登っていくためには、再新再生に関する
もう一つの側面—それは人間だけに授けられた能力の一つ、良心である。
フランスの小説家スタール夫人の言葉を借りよう
「良心の声はいかにも細く、もみ消すことは簡単である。
しかしその声はあまりにも明解で、聞き間違えることはない」
良心とは、心の声が聞こえる限り私たちが正しい原則に従っているかどうかを
感じとり、正しい原則に近づかせてくれ持って生まれた才能なのだ。
人間だけに授けられた能力を引き出し、発揮するのに近道はない。
収穫の法則はここでも働いている。種を蒔いたものしか刈り取れないのであって、
それ以上でもそれ以下でもない。
正義の法則は時代を超えて不変であり、自分の生き方を正しい原則に近づけるほど、
判断力が研ぎ澄まされ、
世の中の仕組みがよく見えてくるし、私たちのパラダイム—-私たちが
生きる領域を示す地図—-も正確になっていくのである。
上向きの螺旋を登るように成長していくためには、良心を鍛え、良心に従って再新再生のプロセスを
一歩ずつ進んでいく努力をしなければならない。
良心が鍛えられれば、私たちは自由、内面の安定、知恵の力を得て、
正しい道を歩んでいくことができる。
上向きの螺旋階段を登るときには、より高い次元で学び、決意し、
実行することが求められる。
このうちのどれか一つだけで十分だと思ったならば、それは自分を欺いていることに
なってしまう。たえず上を目指して登っていくには、学び、決意し、実行し、
さらに学び、決意し、実行していかなくてはならないのである。
第7の習慣:刃を研ぐ 実践偏
1 肉体を健康的な状態に維持する活動をリストアップしてみる。
自分のライフスタイルに合っていて、楽しみながら長く続けられる活動を
考えてみよう。
2 1でリストアップした活動の中から一つ選ぶ、来週のスケジュール表に
自分を高めるための目標として書き込んでおく。
週末に自己評価してみる。目標を達成できなかったら、その目標よりも
重要な用事ができて、それを優先しなければなかったからなのか、
それとも自分で決めたことを守れず、自分の価値観に忠実でなかったから
なのか考えてみよう。
3 精神的側面と知的側面についても、同じように再新再生の活動のリスクを
つくってみる。
社会・情緒的側面では、改善したい人間関係や、公的成功においてより
大きな効果性をもたらす具体的な状況をリストアップしてみる。
それぞれのリストから一週間の目標を一つ選び、実行し、自己評価する。
4 毎週、四つのそれぞれについて「刃を研ぐ」活動を書いて決意し、
実行する。結果を自己評価する。
この続きは、次回に。