ドラッカーとの対話 未来を読みきる力 12
第2部 ドラッカー親しく聴く
4章 強みを最高に活かすには
○ 「強味の上に築け(Build on your own strength)」、あるいは、
「得手の上に自らを築け(Build on your own strength)」である。
○ 「成果をあげるエグゼクティブは、人間の強味を生かす。
彼らは弱みを中心に据えてはならないことを知っている。
成果をあげるには、利用できる限りの強み、すなわち同僚の強み、
上司の強み、自分自身の強み、を使わなければならない。
強みこそが機会である。強みを生かすことが、組織特有の目的で
ある」(上田惇生・新訳・ダイヤモンド社刊より)と言い切っている。
「強味はパフォーマンスを手がかりに発見せよ」
しかし、その発見のきっかけは、自分にはこれができるのだという
本人による一種のパフォーマンスである。
パフォーマンスといっても、上べだけの見せかけや、自分がいかに
すごいかを誇示することではない。
実際に何がよくできるか、できたかという成果、業績、結果、あるいは、
その萌芽のことであるとドラッカーは言う。
そして、こうした見出された強味を決して衰弱させたり、サポートせずに
枯らしたりしてはならないし、何よりも強味を伸ばせる場を見つけることが
肝心だとドラッカーは力説してやまない。
□ ドラッカーとの最近の対話Ⅱ
グローバリーゼーションについてドラッカーが、どんな見方をしているか。
第1に指摘したいのは、「これはあまりにも人口に膾炙したことだが、
現在のグローバル化の流れは情報化と切っても切り離せないことを
再認識すべきだ」とドラッカーが強調したことである。
□ イギリスのインド統治に学べ
ローマ・カトリックは、歴史を通じて文字通り「ミッション」(使命感)に燃えた
「ミッションナリ」(伝道師)を送り出して、〝未開の地〟への布教に努め続けたことが
グローバル化へのカギとしてあげられることを語ってくれた。
そして、以上のいずれの場合も、最新の正しいインフォメーションの入手を何よりも
重視し、これを統治の基礎に据えたことが肝要な点であるとする。
このように〝インフォメーション・ベースト・マネジメント/アドミニストレーション〟(情報に基礎を置いた経営管理)で
あることが、グローバル化成功への共通項ではないかという重要な示唆を
与えてくれたのである。
□ 臆せずに問いただせ
第3に、最近は海外勤務を厭わない日本のビジネス・エグゼクティブ出現してきたね—–
という点である。
しかし、個人に関して言えば、日本の人々がもっと積極的に自分の方から
外国の人々にどしどし語りかけて、何でも臆せずに訊ねることが、グローバル化や
異文化交流の第1歩として肝心なのだ—–
かねてからの提言をくり返した。
第5章 明日の新しい経営行動
ドラッカーへの10の質問
<質問1> から<質問10>までは、省略致します。
※ 是非、ご自身でお読みください。
この続きは、次回に。