知識ゼロからのイノベーション入門⑤
第4話 必ず「できる」と言う。やり方は後で考える。
・ 製品は受注してから作ればいい。
ゲイツの仕事には、1つの特徴がある。
何かをつくってから売り込むのではなく、何もない段階から平気で売り込み、
見事に商談をまとめてしまうのである。
製品は、受注してからつくればいいという考え方である。
IBMとの仕事も「ウィンドウズ」開発もそうだった。
通常の仕事の流れ
① 商品作成→ ② 売込み→ ③ 商談成立→ ④ 納品
ゲイツのやり方
① 売込み→ ② 商談成立→ ③ 商品作成→ ④ 納品
・ 大風呂敷はモチベーションになる。
2人は「つくったと明言した以上、なんとしてもつくらなければ」とハーバード大学に8週間こもり、
1日20時間以上、作業に熱中した。
ゲイツ自身が「最高のプログラム」というBASICは、1975年にMITS社でアルテアを作動させた。
不可能と言われたことが可能になって、ロバーツまでが感動した。
これがパソコン時代の幕開けだった。
後の課題は、BASICをどうやって大金にしていくかだった。
ゲイツが大風呂敷を広げたのは、他社を出し抜くためだが、できる前に「できた」と言ったことが
モチベーションとなり、イノベーションにつながったのは事実である。
第5話 チャンスに全部を賭ける。安全コースに心を残さない。
・ ゲイツの両親は、息子がエリート街道をはずれることを不安がったが、ゲイツはこう説得した。
「パソコン革命は始まったばかり。金儲けのチャンスは山ほどある。
何万台ものマシンで、僕のつくったソフトウェアが走っている」
2人は1975年にマイクロソフトを創業し、MITS社とライセンス契約を結ぶと共に特許権使用料の
取り決めも行っている。
ゲイツが、ハーバード大学を中退したことは両親を落胆させたが、進行中の革命に身を投じ、
自分のソフトをすべてパソコンで走らせることは魅力的だった。
人生の岐路には、自分の一生だけでなく、社会をも変える可能性が埋まっている。
第6話 優れているだけでは勝てない。闘ってこそ前に進める。
・ 見方は簡単に敵に変わる。
・ 並外れた「闘志」が必要。
優れた製品や技術を持ちながら、特許紛争や大企業との闘いに敗れて消えた
ベンチャー企業は数知れない。
ゲイツの並外れた意思と闘志がマイクロソフトを成長させ、ソフトウェア業界に革命を
もたらしたといえる。
この続きは、次回に。