会計は「ザックリ」のほうがよくわかる! ③
Prologue
春日直美、会計アウトソーシングと出会う
〔ポイント〕
□ 会計に専門知識はいらないほんと?
会計の実務では、専門知識はもちろん必要なのですが、ファンダメンタルズとして
もっと大切なことがあると思います。
それは、仕事の結果に対して責任を持ち、最後まで正確に仕事をやり遂げようとする
気持ちがあるかどうかということです。
会計アウトソーシングの会社を長年経営してきた中で、会計の現場で実際にお客様に頼りにされ
活躍しているのは、次のような人たちが多いと思います。
① 与えられた仕事の意味・目的を考え、それを達成しようとする人
② バランス感覚に優れ、お客様志向で考えられる人
③ 自分の知識・スキルに対して謙虚で、好奇心のある人
④ ミスを分析し、次の成功に結びつけられる人
これらは、会計や経理の仕事だけに限らず、営業や販売、人事、エンジニアなどの他の仕事を
している誰にでも求められるファンダメンタルズかもしれません。
一生懸命に仕事をしている人であれば、ほとんどの人が①から④までのすべてを
満たしていると思います。
□ 会計の目的はコミュニケーション
会計とは、コミュニケーションのツールです。
誰と誰のコミュニケーションなのかと言えば、まずは経営者と株主である投資家との
コミュニケーションのためのものなのです。
株主の他にも、企業のまわりには銀行、お客様、仕入れ先そして従業員の人たちと
多くのステークホルダー(利害関係者)が存在します。
そこで、すべての企業は、一般に公正妥当と認められる会計原則
(GAAP:Generally Accepted Accounting Principles)に基づいて決算書を
作成し、ステークホルダーたちはその企業の経営成績や財政状態を理解し、
自らの判断や行動に生かしているのです。
つまり、会計は、経営者と株主や銀行をはじめとする多くのステークホルダーたちとの
コミュニケーションのための大切なツールなのです。
□ 会計リテラシーを身につけると得をする!?
最近、「会計リテラシー」という言葉を耳にすることが多いと思います。
難しく言えば、会計の専門家以外の人が会計や計数管理の基本的概念を理解し、
会計情報や数字を読み解きビジネスに活用できる能力のことです。
簡単に言えば、「数字に強くなる、決算書がわかるようになる」ことだと思います。
決算書を作成できる必要はありません。
もし会計リテラシーが少しでも身についてくれば、得意先の決算書を見ても大ざっぱには理解でき、
数字を使ったコミュニケーション能力も高まっているので、見積書の作成や営業の
交渉等にはかなり役立つはずです。
ザックリとした計数感覚や数字をベースにした仮説力を身につけることができれば、
普段の仕事にも会計リテラシーがかなり役立つのではないかと思います。
この続きは、次回に。