会計は「ザックリ」のほうがよくわかる! ⑩
Net Assetsについては、区分けされる主要なものにはふたつあります。
ひとつめは、Common Stock(資本金、普通株)、Additional Paid-in Capital(資本剰余金)などの
株主の払込資金です。
例えば、日本では株主の払込資本額のうち、最低半分は資本金に組み入れなければいけません。
資本金に組み入れなかった残りのお金は資本剰余金として取り扱われます。
ふたつめは、Retained Earnings(利益剰余金)と呼ばれ、毎期のP/Lの純利益(Net Profit)から
再投資のために内部留保されたものです。
第4章 数字でシナリオを作る ザックリ仮説力
〔ポイント〕
⚪ プラン、バジェット、フォーキャストは管理会計は管理会計の3兄弟
外資系企業の会計部門であるFP&A(Financial Planning & Analysis)の主要な仕事には、
Three-Tear Business Plan(3カ年計画あるいはプラン)、Budget(バジェット)、
Forecast(フォーキャスト)があります。
まずは、Three-Tear Business Planが策定され、その1年目としての来期のBudgetが
策定されるという流れが一般的だと思います。
Three-Tear Business Plan策定作業は、来期が始まる半年くらい前から、プラン策定のための
ガイドラインやスケジュールに沿って進められます。
初めに全社の部門長を集めてキックオフミーティングが開かれ、プランのターゲット、
その前提となるマーケットの状況、プロダクト・ロードマップ(製品リリース決定)などについて
プレゼンテーションとディスカッションが行われます。
その際、自社の事業や製品の現状を分析するためにStrength(強み)、Weakness(弱み)、
Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの切り口からアプローチするSWOT分析なども使われます。
全社のターゲット達成に向けて、こうした前提と分析を踏まえながら、各部門はStrategic
Business Scenario(ビジネス戦略)を立て実際に数字情報も含めてプランを策定していきます。
各部門のプランは、まずは事業部単位で取りまとめられ、最終的にFP&Aにて全社の
取りまとめを行います。
そうした中で、ディスカッションやレビュー・ミーティングを経て、部門の売上・利益・
ROA(Return On Assets)等を最大化し、さらに全体最適を満たす全社のビジネスプランが完成します。
プラン・パッケージの中身は、企業によって違いがあると思いますが、P/L、B/S、
C/S(Cash Flow)はもちろんのこと、投資計画(Capital Investment Plan)、
人員計画(Headcount Plan)やROA等のプランを含め、前提としたStrategic Business
Scenario通りにいかなかった場合のContingency Plan プランBと呼ばれる別シナリオの
プランも含まれることもあります。
さて、ROAという総資本利益率、ROEは株主資本利益率と呼ばれます。
ROAは、総資産に対する利益の比率を示すものですから、
EBIT(Earning Before Interest and Taxes)÷総資産(Liability+Net Assets)で求めます。
この続きは、次回に。