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会計は「ザックリ」のほうがよくわかる! ⑪

日本では、分子に当期純利益(Net Profit)を使う場合もありますが、外資系企業では、

借り入れによるコスト(支払利息等)の影響を除いたEBITを用いるのが一般的です。

つまり、ROAは、企業が保有している資産をどれだけ上手に事業に使って利益を生み出しているかを

示しているのです。

したがって、外資系企業では、ROAが業績評価指標KPI(Key Performance Indicator)のひとつとして

重要視されるのです。

ROEは、当期純利益(Net Profit)÷株主資本(Net Assets)で求め、株主が投資した金額(株主資本)に対して

企業がどれだけ利益を生み出せるかを示しています。

もしROEが低ければ、その企業は「ビジネスのセンスがない」と株主に判断されてしまうかも

しれません。

一方でROEが高ければ、経営者の経営手腕に対する評価が上がることになります。

なお、ROEを計算する際には、当期純利益を使います。

株主からすると最終的な利益が自分の手取りに直結し重要だからです。

次に、バジェットですが、これは単なる目標ではなく、アニュアル・オペーレーティング・

プラン(AOP)とも呼ばれる。

必ず達成しなければならない株主とのコミットメントです。

また、外資系企業ではバジェットのオペレーティング・プロフィットやROAなどは管理職と

社員のパフォーマンス・ボーナスの支給基準ともなります。

従って、マネージメントもかなり精緻にわたってレビューしますから、バジェットの策定の

時と同様に全社のキックオフミーティングを開き、Three-Year Business Plan の1年目の

売上・利益・ROAなどの主要な数値を達成するべく、部門毎のストラテジー(戦略)と

タクティクス(戦術)を立てていきます。それに従い、実際に結果をデリバリー(達成)するための

Budgetとして部門毎に数字に落とし込んでいきます。

まず、受注・売上については来期の市場予測に基づき商品別・客先別等で詳細に計画し、

それに基づき来期のセリング・プライス(販売価格)や為替レートを考慮しながらグロス・

プロフィット(粗利益)の計画を作成します。

また、SG&A(販管費)についても、人件費等は来期の人数やSalary Increase(昇給)はもちろんのこと、

社会保険の料率変更やリクルーティング・コストまで加味して決めます。

その他の経費については、ボトムライン(オペレーティング・プロフィット)を達成するためにという

観点から詳細に作り込んでいきます。

今期の経費の実績予想はいくらだから来期は10%アップします。

売上が10%伸びるので経費は5%増やしますなんて話は、ラショーネール(根拠)がないので

全く通用しないと思います。

プランと同じように、マネージメントとのディスカッションやレビュー・ミーティングを経て、

FP&Aが全社のパジェットを取りまとめ、バジェットができあがります。

このように厳格に策定されたバジェットですから、バジェットの達成可能性については

毎月細かく吟味していきます。それが、フォーキャストです。

単に今期の売上、利益等を予測するというよりも、バジェットを達成すべく、色々と算段を

つけるための経営管理のプロセスだと考えていただいたほうが適切かもしれません。

従って、毎月のフォーキャストでは、バジェットを策定した際の前提や仮定に大きな変化は

ないかを検証し、もし変化があるようであれば可能性のあるアップサイド(良化)とダウンサイド(悪化)の

インパクトを分析し、後になって急に大きなサプライズが起こったりしないように注意を払います。

また、公開会社の場合は四半期毎に外部に対して損益の見込み等を公表するので、

Quarter End(四半期末)にはInventory Reserve(在庫引当金)等の各種eserveに過不足がないかの

レビュー(精査)を行い、通常月よりも詳細にフォーキャストすることになります。

また、フォーキャストの完成後に、株主である親会社のマネージメントやファイナンスと

電話会議(テレコン)やデレビ会議(ビデコン)を行う場合もあります。

 

この続きは、次回に。

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