認知症にならないための 決定的予防法⑦
本書はどのように役に立つか
私は次のような構成で、それを成しとげようと思います。
第1部 <アルツハイマー病を理解する>
5章 <将来あなたはアルツハイマーになるのだろうか?>
6章 <アルツハイマー病—発症する可能性は?>
7章 <実脳年齢を測る。
第2部から7章では、アルツハイマーを防ぐ4ステップの処方箋を始めます。
ステップ1 <アルツハイマー予防食>
ステップ2 <筋力強化>
ステップ3 <脳の強化>
ステップ4 <休息と回復>
第3部 <アルツハイマー病の診断、治療、そして将来>
8章 <アルツハイマーかどうかの診断>
9章 <最新の投薬治療>
アルツハイマー病とはどのようなものか?
認知症は記憶障害を特徴とする病気です。
慢性的な認知症をわずらう高齢者の多く(60から80%)はアルツハイマー病ですが、それ以外にも
血管性認知症、レヴィー小体型認知症、パーキンソン病による認知症、アルコール性認知症があり、
さらにうつ病の誤診や薬物の副作用による回復可能な認知症すら存在します。
1 実行機能(計画、順序づけ、調整、予期、および報酬の遅れの受容)、記憶、注意力、知能、
言語—認知力に影響する変化。
2 無関心、怒り、錯覚、幻覚、妄想といった心理面や振る舞いに影響をおよぼす変化。
3 車の危険な運転、火の不始末、失禁、歩行の自動的記憶の喪(失行症)によるよろめきや転倒など、
日常の活動に影響する変化。
軽度認知機能障害(MCI)
自然の老化と認知症を分ける実際的な違いは、老化した脳にはまだ自立した生活を送る能力が
あることです。認知症になった脳では、どんなに努力してもそれはかないません。
老化した脳は現実を認識していますが、認知症の脳はどんどん現実との差がわからなくなります。
最近の研究によって、通常の認知機能の低下からアルツハイマーへの移行状態が
見極められるようになりました。
われわれはこうした移行状態を、軽度認知機能障害(MCI)と呼んでいます。
MCIの基準を満たす人は、年間17%から20%の割合でアルツハイマーを発症することが
研究から予測されています。
第1期—記憶と学習が困難になる
アルツハイマーの第1期は、おもに短期の記憶や、記憶の想起、学習能力に影響をおよぼす
認知機能の変化が特徴的です。
短期記憶とは、数分前に言われたことや、朝食に食べたもの、その日にやるはずの特定の用事など、
少し前に起きたばかりの出来事を思い出すものです、
記憶の想起は、短期記憶だけでなく、友人の名前や以前に勤めていた会社の名前など、
長期記憶も呼び出す能力です。
反射検査でアルツハイマーがわかる
言葉がでてこない状態が日常的に
脳の貯水池が徐々に枯渇
第二期—筋の通らない思考、乏しい洞察力と判断力、振る舞いと心理面の変化(適度の不安、
興奮、妄想、幻覚)
父の認知症の悪化
日没症候群は頻繁に起こる恐ろしい体験
運転は危険
退行を示す他の兆候
この続きは、次回に。