認知症にならないための 決定的予防法-66
こうしたことはいずれも虐待なのです!
大脳辺縁系が主導権を握りつづけると、不健康な習慣だらけの不調和な生活に人をおとしいれ、
摂食障害や依存症、メタボリック・シンドローム、2型糖尿病、そして最後にはアルツハイマー病を
引き起こします。
アルツハイマーは七割方、遺伝によって定められたものではないことを、つねに忘れないように
してください。
自分の運命は自分で決めるのであり、このプログラムにある四つのステップを実践すれば、
アルツハイマーの恐れのない暮らしができるのです。
残りの三割—遺伝が作用する場合—でも、ストレスを制御し、たっぷりと睡眠をとるなど、
食生活と生活習慣に注意を払うことで、アルツハイマー病の発症を10年から15年以上遅らせることは
できるのです。
ストレス反応を抑制し、睡眠の質を高めるのが遅すぎる—もしくは早すぎる—ことは決してありません。
もちろん、年をとるにつれて、眠ることは難しくなります。
高齢者は熟睡している時間が短く、睡眠中に目が覚めたり、寝づらくなったりすることが多く、
効率より睡眠をとることができません。
一週間に合計で数時間、睡眠時間が減る状態が何週間、何ヶ月もつづくと、体への損害が
積み重なります。というのも、それによって炎症性サイトカイン[マーカー]がいちじるしく増え、
それが組織的な炎症を増加させるからです。
では、その循環をどうやって止めればいいのでしょうか?
ホルモンのバランスと心理的反応
アルツハイマー病になる確率を減らすには、ホルモンのバランスをとるように努めなければなりません。
信じがたいことですが、ストレスホルモンのコルチゾールが、実際にはその均衡を保つうえで
役立つのです。
コルチゾールは大脳辺縁系(情動脳)によってじかに調整されているので、情動的なストレスは
コルチゾールを通して、同化ホルモンにも異化ホルモンにも多大な影響を与えることができます。
ストレスを受けているときは、体内でヒト成長ホルモンなどを含め、多くのホルモンが生成され、
それが実際に免疫システムを活発にします。
ストレスを受けているとき、免疫システムが被害を受けるかどうかは、どれか一つのホルモンの
濃度によるのではなく、むしろいくつかの異なったホルモンの相対的な量によります。
さらに、こうしたホルモンはストレスへの心理的な反応に深く影響を受けています。
この続きは、次回に。