認知症にならないための 決定的予防法-67
ここで四つの反応について少し見てみましょう。
1 感じ方
四つの心理的反応のうち、ストレス要因を<どう感じるか>が、何にも増して重大な意味をもちます。
何かが危険なものになると考えない限り、汎適応症候群のいわゆる警告期、つまり自分の幸福を
脅かしうるものがあることに気づく段階を引き起こすことはありません。
2 コントロール
自分にはコントロールできないと感じるときには、有益だった情動的な興奮は、有害な不安に変わります。
コントロールできる状態にあるということは、その防護壁と似ています。
事態を掌握できている感覚がなくなり、無力に感じるとき、不安とされつづける健康問題が生じてきます。
3 対処方法
対処方法もまた、健康に影響をおよぼしうる心理的な変数です。
4 性格タイプ
最後に、性格によっても病気になりやすいかどうかが大きく左右されることがあります。
先に、ドクター・マークスは<AAA>タイプの性格だと書きました。
Aタイプの性格[血液型とは関係なく、精神科医が分類したもの]というのはお聞きになったことが
あるかもしれません。
文字どおり、時計の奴隷となっているような人のことです。
このタイプの人は、つねに急いでいて、人生を楽しむために時間を費やしたりしません。
彼らは時間を重視し、非常に早い口で話すことが多く、いらだち始めると、話しかけてきた相手の
言葉をさえぎって、自分が結論を言ってしまいます。
これはタイプBの性格とは明らかに対照的なもので、タイプBというのは、ごく単純に、
タイプAでない人を意味します。
タイプBの人も仕事を片づけますが、彼らは人生の旅を楽しむ時間もとります。
こうした考え方は、人を分類するには役立ちますが、<性格>というよりは、人が周囲で起きる
問題にとり組むための対処方法として考えたほうが、より正確かもしれません。
これらはホルモンのバランスと免疫システムの双方に、なかでもストレス要因に反応する方法に
影響する多くの要因のうちの、ほんのいくつかに過ぎません。
5 人生のバランス
患者のストレスを処理できるように、私が勧めているもう一つの方法は、人生のバランスを
考えてもらうことです。
つまり、自分の人生は釣り合いが保たれているのか、それとも偏っているのか、ということです。
私は患者に、人生のバランス・テストを受けさせます。
患者には八つのカテゴリーについて考えてもらい、それぞれ一から十までの点数をつけさせます。
一はひどく不足しているもので、十はそのカテゴリーに関しては非常によいと感じているもので、
五はほどほどだと考えているものです。
人生のバランス度が五から十であれば、よい点数と考えられます。
五未満は不充分です。
以下の事柄について、どのように感じていますか?
1 食生活
2 運動
3 精神生活
4 性生活
5 社会生活
6 仕事
7 結婚生活または大切な人との関係
8 睡眠
五未満の項目についてはいずれも、改善する必要があります。
すべての項目に10点であれば、ドクター・マークスのように、どこか問題のある非現実的な人である
兆候が色濃く感じられます。
人生のバランス兆候で四項目以上に五未満の点数がついた人は、慢性ストレスを受けている
危険があります。
この続きは、次回に。