ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本⑬
23 科学的管理法からマネジメントへ
—知識社会は革命的に社会を変えていく
⚫️ 労働を科学的に管理する時代になった
ドラッカーは、フレデリック・テイラーの「科学的管理法」に注目した。
テイラーは、工場の肉体労働を研究し、近代工場経営において画期的な成果をあげている。
テイラーは、「新しい技術や道具によって生産性をあげること」を創案した。
テイラーがあみ出した手法は簡単だったが、革命的だった。
⚫️ テイラーの考えは世界を席巻した
テイラーの手法はある意味で技能の神秘性やロマンを壊した。
そこに存在するのは、単純な反復運動で製品を組み立てるライン、肉体労働のシステム化、
労働と休息、品質管理などで、知識の劣った労働者でも、ある程度、場所をあたえれば使うことが
できるようにしたものだ。品質は維持され、高い生産性が産まれた。
仕事の効率化をすれば、さらに高い生産性を期待できたのだ。
テイラーの偉業によって、今日の経済と経営の基盤が作られた。
⚫️ 「科学的管理法」から「マネジメント」へ
テイラーの科学的管理法は、マネージャーが工場を管理するというものだった。
「知識社会」は、高度な知識労働者、テクノロジスト、サービス労働者たちを「マネジメント
すること」によってより多くのサービスや製品を生み出す。
今日の病院では医師や看護師は一人一台のパソコンを持っている。
ここで必要なのは命令ではなく「マネジメント」なのだ。
科学的管理法—知識労働者が生産を管理する。
・ 肉体労働の管理
・ 生産ラインの管理
・ 1日のノルマの設定
・ 作業の標準化
・ 成功報酬
・ 品質管理
↓
仕事の知識を適応した生産性をあげる
24 労働者は仕事に責任を持ちたがっていた
—「責任ある労働者」
⚫️「ドラッカーの分権制でフォードが成功」
葬儀用者の孫ヘンリー・フォードが社長になり、分権制で組織改革に乗り出した。
ドラッカーとコンサルタント契約を結び、『会社という概念』を経営の教科書にして分権化を推進し
大成功をおさめた。
⚫️ 労働者は金だけが目当てではなかった
1941年にGMの経営責任者のチャールズ・ウィルソンはドラッカーの考えに賛同し、社内改革の
アクションを起こした。
経営不振の改革のために大規模な意識調査を実施したのだ。
「自分の仕事と好きな点」という課題の作文を募集した。
従業員の3分の2以上の30万人以上の応募があった。
ドラッカーは数千人分の作文を読み、そして発見した。
それまで「労働者は金のために働く」と思われていたが、作文の内容から「労働者は責任を
持ちたがっている」ということを発見したのだ。
⚫️ 「ベートーベン」は演奏しない
「知識労働はオーケストラのようでなくてはいけない」(ドラッカー)
指揮者は演奏者ではない。ベートーベンも指揮はしても演奏はしない。
演奏者はそれぞれのパーツの責任を持つ。
指揮者は全体を「マネジメント」するのだ。
経営者はオーケストラの指揮者となるべきだ。
力のある演奏者が統合し、成果をあげるのだ。
労働者は金のために働くのではない。労働者は責任を持ちたがっている
↓
ドラッカーは分権型を提唱する。
この続きは、次回に。