ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本⑳
39 他社でできることは自社もできる
—卓越性(強み)を発信せよ
⚫️ 「データは判断されて情報となる」
コンピューターによって、多くのデータ処理ができるようになった。
基礎情報、人材、人材管理、資金情報だ。欲しい数字は瞬時に得られる。
ただこれらのデータは「本来の情報」でない。
医者が「患者の検査情報」を得ることは重要だ。しかし、外科医が「どう手術するか」は、
外科医の判断だ。医者が判断してこそ、データは情報として機能する。
⚫️ 「他社でできることは自社でもできる」
「生産性の情報とは何か?」
「知識社会」になると成果を評価することはむずかしい。
情報社会は、「情報の共有」の時代だ。
悪くいえば、ネットを通じて情報が流動化している。
デジタル化されたものはどれでも使用できる。
知識労働者の成果は「同じ業種の成果」と比較することで知ることができる。
ベンチマーキングである。
ベンチマーキングとは、「自己革新を目的とし、高い革新成果を他社のやり方を学ぶ。
目の革新を最高水準に高める方法を考え出すこと」である。
「他社でできることは自社でもできる」という精神だ。
「成果の判断」だけではない。
グローバルな視点に立てば世界と使用部できるのだ。
⚫️ 「自社の得意技(強み)を発信せよ」
「得意なものに集中しろ」(ドラッカー)
コア・コンピタンス(中核的卓越性)を持てということだ。
散漫になっていけない。「選択と集中」なのだ。
「組織の卓越性」、自分の組織の「強み」を理解するのだ。
それを「情報」として発信する企業がさらに卓越する。
40 ほかの分野のニッチ(すき間産業)を探す
—ニッチはニッチで終わらない
⚫️ 「積極的模倣と卓越性の強化」
「ほかとの比較検討」とは、自分の組織の仕事を考えるうえで、「自分と同じことをやって成果を
あげている組織」と比較検討することだ。
よいことは積極的に取り入れる。「戦略的な模倣」をするのだ。
情報社会は、ほかの分野の情報を取りやすく、ほかの世界に発信しやすい。
⚫️ ニッチ(すき間産業)の新たな可能性
情報社会は新しい「ニッチの分野」を生んでいる。
「ニッチ戦略」は「だれも手をつけていない分野」や「ほかの分野の思いもよらぬ技術」から発展する。
ドラッカーは、「医療メーカーが典型だ」と説く。
もともと分子生物学、微生物学、エレクトロニクスなどの学問は医療の研究とは違う分野だった。
今や医療に「関係ない学問分野」は存在しない。
同じことが自動車メーカーや鉄鋼メーカーにも起こった。
今日、他のメーカーで起こることは自社でも起こることだ。
ほかの分野の情報を細かくチェックしよう。
⚫️ 価値ある情報は「関係ない世界」にある
電話会社の社内研究機関の「ベル研究所」がトランジスタを発明した。
電話会社はこの発明を使ったが、最大に使ったのはソニーであった。
1953年、ドラッカーはソニーの盛田昭夫氏にニューヨークで会っている。
盛田氏はトランジスタの特許を買いにきていたのだ。
トランジスタは、ソニーにとってはニッチだった。
ドラッカーは「ベルはソニーに二束三文で価値ある特許を売ってしまった」といっている。
たしかにソニーはそのあと躍進した。
この続きは、次回に。