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ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本㉜

61  トップの仕事の設計

           —ときには丸投げもいい

 

⚫️ 「丸投げもひとつのマネジメントだ」

職務を設計することは難しい。

いちばんいいのは有能なミドルマネージャーに「丸投げ」することかもしれない。

イギリスのインド統治が成功したのは、インド総督府が有能だったからだといわれている。

トップマネジメントが非力だったが、ミドルマネジメントに任せたことがよかった。

「丸投げ」もひとつのマネジメントなのだ。

 

⚫️ 「トップべからず集」

トップマネジメントで難しいのは、職務の設計だ。

主な留意点をあげる。

     1  職務を小さくしすぎてはいけない。

         計画を小さくし過ぎるとやるべきことがすぐに終わってしまう。

     2  たんなるナンバーツーを作ってはいけない。自ら貢献できる立場に立つ。

     3  部下の仕事を取るな。マネージャー本来の仕事がある。

         それを他人に任せ、ヒマになったマネージャーが部下の仕事を取ってしまう。これは最悪だ。

     4  自分の仕事は自分がこなせる範囲にする。

          仕事と会議を同時に行うことはできない。

     5  余計なポストを作るな。肩書や地位は責任を意味する。いたずらに地位を与えることは組織を乱す。

     6  部下に危険な仕事を与えるな。そのような仕事は思いきって仕事自体を辞めるべきだ。

 

⚫️ 「まず基本的なことから」

無理しないで伝承的で基本的な仕事をすることだ。

マネージャーの基本は「継続」だ。

まず前任者から引き継いだ仕事をきちんと継続する。

地位は、上・下・横との位置で決まっていく。まずは人との関係を重視しよう。

仕事をメンバーに適切に割り振る。部内の情報の流れをスムーズにする。

こうした基本的なことをやることが大事だ。

 

62  上手な人材開発を

             —上手な組織構成

 

⚫️ 「能力開発というまちがい」

人は「マネジメント能力」を開発し高めたいと願う。

そのとき、犯しやすいまちがいがある。

   1  セミナーをあてにするな。たとえばマネジメント能力の開発セミナー。

       外部セミナーが組織や個人のニーズにあっていることはほとんどない。

       自己啓発のほうが重要である。

   2  マネジメントは人材探しではない。エリートや天才を求めるな。

       エリートの半数は40代になれば、口がうまいだけの人間になっている。

   3  マネジメントは人の性格を変えたり人を改造したりするものではない。

       人間の性格に対してとやかくいうのは権力の乱用だ。

       マネジメントは「その人の強み」を存分に発揮させることである。

 

⚫️ 「組織構成でまちがうな」

トップの正しいマネジメントのやり方には四つある。

     1  技能を目的化してはいけない。技能は高度化し専門教育を受けた技術者が多い。

         レントゲン技師やリハビリ療法士など。しかし、技能向上自体が目的になってはいけない。

         目的は患者の診断と治療だ。

 

    2  階級化してはいけない。仕事の成果をあげるために組織構造がある。

        上司や部下という構造は成果をあげるためにある。

        昇進も仕事のためにこそある。出世のために組織があるのではない。

 

     3  階層は分離化してはいけない。上下の間のコミュニケーションが大事だ。

         共通の言葉と理解につとめなければいけない。

     4  報酬は、さまざまな意味合いを持つ。組織や社会によってもちがう。

         正義、公正だけではなく、ときに情緒的でもある。

         報酬システムを体系化してもムダだ。報酬はある意味で「妥協の産物」である。

 

◽️ マネジメントは人の強みを発揮させること

   1  能力開発セミナーはあてにならない

   2  マネジメントは人材探しではない

   3  性格に対してとやかくいうのは権力の乱用だ

 

 

 

この続きは、次回に。

 

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