ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本㊶
77 何によって覚えられたいか
—卓越性を求めて
⚫️「何によって覚えられたいか」
「人生の目的は『強み(卓越性)』の追求だ」(ドラッカー)
ドラッカーが13歳のとき、すばらしい宗教の先生と出会ったという。
先生は生徒に「きみたちは何によって覚えられたいか」聞いた。
その問いに誰も答えられなかった。
先生は「今は答えられなくていい。50歳になって答えられなかったら人生をムダにしたことになるよ」と
笑った。60年ぶりの同窓会。ほとんどの人間が健在で「先生の質問」を覚えていた。
「何によって覚えられたいか」を自分に問い続け、人生が変わったという。
ドラッカーはかかりつけの歯医者に「あなたは何によって覚えられたいか」と聞いた。
歯医者はこう答える。
「私が治療した患者がなにかで死んだ時だ。死体解剖の鑑定医に『この人はいい歯医者にかかって
いたなあ』といわせたい」と。いい心がけではないか。
⚫️ マネジメントのために
マネジメントとは、「組織に成果をあげさせること」だ。
「自分の強み(卓越性)」を発揮することで、少しでも組織のためになる。
自分の成長も「強み(卓越性)」の追求で得られる。
⚫️ まとめ
ドラッカーのいう「成熟産業」と同じく、国家にも「成熟国家」がありそうだ。
成熟国家を自覚して、「少ない富を上手にわけ合うことだ」が必要だ。
借金をして巨額の資金を無目的にバラまいても「回収」されることはない。
国も国民も足腰を強くして、強く生きる体力をつける必要がある。
そんなわれわれのためにドラッカーの『マネジメント』が存在していると考えたい。
おわりに
トラッカーがブームだ。
ドラッカーは「マネジメントは組織に成果を上げさせる」という。
学校、病院、軍隊、宗教団体、趣味のグループ、NPOなど、ドラッカーの書物にはいろいろな組織が
出てくる。だから『もしドラ』のような野球部の女子マネージャーもありだ。
ドラッカーの本は、読み物としても実に楽しい。
底に流れる人間性がおもしろいのだ。たとえば、「未来を予測してはいけない」「時間は守れない」
「計画は実行できない」「リーダーシップはいらない」「エリートを求める」など、実に興味深い
メッセージが多い。通常なら、「未来を予測しろ」「時間を守れ」とか、「計画を実行せよ」と
いうだろう。しかし、そうはいわない。そのかわり、「ギャップ分析」「フィードバック分析」
「シナジックな組織」「イノベーション」など、どうすればいいのかという方法論が書かれている。
また、ドラッカーは日本びいきで有名だ。たびたび来日し、水墨画の収集をしている。
日本へのメッセージも多い。
ドラッカーは「日本はやるべきことをやってこなかった」という。
「先送りは限界だ」というのだ。
不況をどう脱出するか。公共投資をしたり、企業の設備投資に力を貸したり、減税したり。
しかし、何をどれだけすれば、どんな効果があるかわからない。
「投資が消費を刺激する」といっても、現実には何も起こらない。
「あわよくばミニバブルを起こしたい」なんて思っている人までいる。
マネジメントは「利益」のために必要なのではない。
ドラッカーは「企業が利益組織だと考えるならば、見当違いだ」という。
はたして、マネジメントとはなにか。ドラッカーの思想に迫りたい。
⚫️謝辞
※ 省略致します。
この続きは、次回に。