池上 彰のやさしい経済学2 ニュースがわかる ⑩
空前の株ブームが到来
1987年2月、NTT株の新規上場でした。
この時の売り出し価格は、1株119万円。2カ月後には318万円まで値上がりしたのです。
たった2カ月ですよ。
119万円で買った人が318万円で売れば、これこそまさに濡れ手に粟という感じですよね。
こうして空前の株ブームに火がつきました。
公社:公共事業を行うために、国が全額出資して設立する特殊法人。
株価が上がると銀行が困る
株価がどんどん上がると、実は銀行がちょっと困ったなということが起きるんです。
会社が、銀行からお金を借りなくなるんですね。
それを説明するために、まず株式会社がお金を集める方法からお話します。
株式会社は、事業を始める、あるいは拡張するために、3つの方法でお金を集めます。
株を発行する、銀行からお金を借りる、社債を発行するという方法です。
配当:資本提供への見返りとして、一般的に現金で株主に支払われる。
社債:事業債とも呼ばれる。一般の株式会社が、長期資金を調達するために発行する債券。
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銀行は新しい融資先を開拓しなければならない
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「地上げ屋」が台頭する
地上げ屋:建築用地を確保するため、地主や住人と交渉して土地を買収する人や企業のこと。
当時は住人を恫喝するなど強引な手法で土地を買いあさる業者が台頭し問題となった。
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さらに土地の値段を上げた「買い換え特例」
「買い替え特例」という制度がありました。
例えば都心の土地を売ったとします。そのお金をそのまま持っていると高い税金がかかります。
でも、そのお金ですぐ別の場所に土地を買うと、税金を払わなくて済むという制度です。
これまで住んでいた自分の土地がどんどん上がってくる。あるいは、株を買ったらその株価が
どんどん上がってきた。そうすると、多くの人たちがお金持ちになった気分になります。
もちろん、今住んでいる土地や持っている株は売らないとお金になりません。
でも、自分が住んでいる土地の値段や持っている株が前より上がっていると、自分はお金持ちに
なったという気分になります。
そうなると、この際だからちょっと高級車を買おうか、何ていうことが起きるようになります。
買い換え特例:特定のマイホームを売り、代わりのマイホームに買い換えた場合、一定の要件のもと
譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができる制度。
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この続きは、次回に。