池上 彰のやさしい経済学2 ニュースがわかる ⑱
君は年金をもらえるか—消費税をどうするか?
—-日本が今直面している大問題は「社会保障と税」です。
近年日本の政治家が避けてきた「消費税引き上げ」に、なぜ取り組まざるをえないのか?
年金などの仕組みと消費税の特質を解説します。
社会保証制度と税金のあり方。
今後の年金のためには、消費税を上げなければならないでしょうか。
堅実な年金制度ではなかった?
国債で補われている福祉。外国が国債を大量に買ったら、どうなる?
年金は保険の一つ
保険会社には大原則があります。
これを「大数の法則」と言い、大勢の人が集まることによって全体の見通しが得られることを言います。
生命保険会社も損害保険会社もこれで成り立っているのです。
大勢の人に保険に加入してもらうと、社会全体の平均寿命に次第に近づき、どれくらいの保険金を
用意しておけばよいか、全体の数字が読めるようになり、経営が安定してくるのです。
大数の法則:確率論の基本法則の一つ。
たくさんの人を集めると、社会全体の平均寿命に次第に近づき、1年間に支払う保険金や集める保険料、
亡くなる人の数などの計算ができるようになる。
日本は「国民皆保険」
日本の健康保険は、国民皆保険です。
そのおかげで、病気になったときに、加入している健康保険の保険証を持って病院に行けば、
原則として3割の料金を払うだけで済んでいるわけですね。
あとの7割は皆さんが払い込んでいる健康保険料によって、まかなわれています。
だから保険証がないと大変高い金額を請求されることになるのです。
これが日本の健康保険制度です。
アメリカの健康保険制度
一方、アメリカには、国民みんなが入るという健康保険制度はありません。
※ 省略致しますので、購読にてお願い致します。
日米の健康保険制度の違い
アメリカでは4,600万人もの人が、保険に入っていませんでした。
インフルエンザにかかって病院に行くと、とてつもない医療費がかかります。
だからインフルエンザくらいでは医者にかからないで、家で寝ていて治すのです。
日本だとインフルエンザにかかって熱があったら、どうしますか。
すぐに最寄りの医者にかかるでしょう。だから統計上は患者の数が、ものすごく増える。
日本の健康保険制度は、いろいろな問題がありますが、私たちは気軽に医者にかかることが
できるという大きな利点があります。ですから、医者にかかった人数でいうと、日本の方が
はるかに多いという数字が出てくるんですね。
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介護保険制度ができた理由
始まってからまだあまり間がないものに介護保険制度があります。
介護保険も年をとって寝たきりになって介護が必要になるリスクに備えて始まったものです。
みんな介護を受ける可能性があるわけだから、社会で解決する必要がある。
そこで介護保険制度を作り、介護保険料を払い込むようになりました。
今では介護保険料を払い込んでいれば、いつでも実費の1割負担で介護保険を受ける権利が
得られるようになったのです。
この続きは、次回に。