超ロジカル思考 「ひらめき力」を引き出す発想トレーニング③
✔️ 無意識の世界で、「グーグルのようなこと」が行われた!
✔️ 無意識の世界を刺激しよう
ある瞬間、人が立っている姿がおぼろげながら意識の世界に浮かび上がってきて、「あっ」と
いう声とともに、それかせ鮮明に見えるようになる。
これが、無意識の世界で新しいモノの見方が生まれ、意識の世界に飛び込んで
きた瞬間だ。言い換えれば、我々は無意識の世界がつくり出したモノの見方の範囲の中でしか、
モノを見ることができないようになっているのだ。
つまり、脳の活動の2割程度しかない意識の世界で一生懸命考えていても、
我々のモノの見方は変わらない。すでに頭の中に存在するモノの見方に
縛られるだけで、かえってそれ以外のモノの見方ができなくなる。
我々が新しいモノの見方を発見するためには、むしろ意識の世界は使わない方がいい。
それよりも、無意識の世界を刺激し、揺さぶることが、新しいモノの見方の発見につながるのだ。
✔️ 「あっ」という瞬間は、そう簡単には訪れない
それでは、無意識の世界を活性化させ、ペイジやブリンのように、いま見えない
世界を発見できるようになるためには、どうすればいいのだろうか。
そのためのトレーニング法として、自分が行ったことのない場所に行き、会ったことのない人と
会うことをお勧めしたい。
なぜなら、それによってこれまで触れたことのない刺激が、五感を通じて自分の中に入って
くるからだ。新しい刺激に触れれば、無意識の世界がそれを解釈できずに困り、勝手にいろいろな
検索パターンを試し始める。
ネイティブ・アメリカンの絵をはじめて見せられたときのように、さまざまな角度から観察する
状況に入るのである。
また、新しいことを経験すると、それにタグがくっついて自分の頭の中に蓄積されていく。
そうしているうちに、ある日ヒョンなことから新しい経験と古い経験が検索に引っかかり、組み合わされ、
今まで自分の中に存在しなかったモノの見方ができあがり、突然意識の世界に飛び込んでくる瞬間を
経験できる。これが、「あっ」という瞬間だ。
そこから、今まで見えていなかった世界を見ることができるようになる。
✔️ 花王はどうやって「消費者の潜在ニーズ」を捉えるのか
Exercise 1-4
消費者自身も意識していないニーズ、消費者インタビューをしても出てこないような要望を
捉えるためには、何をすればいいのか見てください。
※ 花王の商品開発担当者が、どのような消費者の潜在ニーズを捉えようとしているのか、
そのためにどうやって無意識の世界を刺激しているのかについてイメージしてみましょう。
ここで答えをいおう。
まず消費者を徹底的に観察するのだ。
そして、毎日のように観察を続けていると、次第にいろいろなことが気になるようになっていく。
そして、さらに観察を続けるうちに、今度は「この落ちにくい汚れがどんな物質か調べることは
できないか」「それができれば、簡単に汚れが落とせる新洗剤を作れるのではないか」といった仮説が
浮かび上がってくるようになる。ここまでくれば、もう行動に移すことができる。
花王の研究者はこんなことを日々実践している。
これを毎日のように繰り返していると、次第に消費者の潜在ニーズを目利きできるようになって
いくのだ。
✔️ リッツのホテルマンが感動のサービスを提供できる理由
リッツのホテルマンが挑戦しているのが、「顧客の感じていることの先を読む」ことである。
顧客が何かを感じているが、まだ口に出す前にそれを察知し、要望に応えることができれば、
感動のサービスになる。しかし、そんなことが可能なのだろうか。これが可能なのである。
✔️ 2割の「無意識の世界」が邪魔をする
この2つのケースから、「潜在ニーズ」や「顧客が感じていること」など、目に見えないものを
見られるようになるためには、「観察する」「仮説が思い浮かぶ」「それを検証する」のパターンを
繰り返すことが、有効なトレーニング法になっていることがわかる。
無意識の世界を活性化させるには、行ったことのないところに行き、会ったことのない人と
会い、これまで触れたことのない新しい刺激を受け続けることが必要になる。
考えるのではなく、ひたすら観察を続けるのだ。
この続きは、次回に。