ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学 ⑳
✔️ 日本企業はトランザクティブ・メモリーを失っている。
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その意味で私が危惧しているのは、最近の日本企業です。
ここからはあくまで私個人の意見ですが、少なくとも一部の日本企業では、昔は当然のように
用いられていた直接対話によるコミュニケーションの機会が減っている印象があるからです。
社員の間の「インフォーマルな直接会話」を促す場も減っているように感じます。
例えば、タバコ部屋はどうでしょうか。
最近は喫煙ブームで、喫煙者は肩身が狭くなってきています。
他方でタバコ部屋は、異なる部署の人たちがインフォーマルに集まれる場所でもあります。
そこで気軽に雑談をする中で、自分の部署だけではあまり聞くことのない、「他部署の誰が
何を知っているか」を知ることも、思い出すこともあるはずです。
さらに、同僚との飲み会も直接対話を促す機会かもしれません。
最近の若い社員は会社関係の飲み会を敬遠しがちなようですが、例えば異なる部署同士で
飲み会を開けば、それは Who knows What の効果を高めるかもしれません。
✔️ 日本企業が失い、シリコンバレー企業が取り入れたもの
現代では敬遠されがちな、このような古き時代の慣習が、日本企業のトランザクティブ・
メモリーを高めていた可能性に注目しているのです。だとすれば、これらに代わる、
トランザクティブ・メモリーを高める新たな仕組みを意図的につくり出すことが、
日本企業の大事な課題なのかもしれません。
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このように、組織学習を高める上で大事な、フェイス・トゥ・フェイスの仕掛けは、
かつての日本企業には多くあったのに、今それが様々な理由で失われているのではないか、
と私は考えています。
一方で、日本企業では失われたものを、シリコンバレーの企業が取り入れるように
なっているのです。
是非、アスクルのように、フェイス・トゥ・フェイスを意図的に生み出す仕掛けを、
日本企業にもっと実践してほしいと私は考えています。
この続きは、次回に。