IoTビジネス入門 ②
2時間でわかる 図解IoTビジネス入門
プロローグ IoTとは?
■ IoTは一過性のバズワードなのか?
最近、テレビや新聞をにぎわしている「IoT」というキーワード。一体何だろうか?と疑問に思われて
いる人は多いのではないでしょうか。
よくある解説を見ると、「IoTはInternet of Thingsの略で、モノのインターネットと訳す」などと
書いてありますが、余計に「?」が頭をよぎります。
言葉の定義はともかく、モノがインターネットにつながるというけれど、ここでいう「モノ」とは
何を指すのか、というところからわからないのではないでしょうか?
もし「IoTとは何か?」ということが技術的にわかっていたとしても、それがどういう社会問題を解決
するのか、どういうビジネス上の価値を生み出すのか、ということについて明確に答えられる人は
ほとんどいないのが実際です。
私は『IoT NEWS』というIoT専門のウェブサイトを運営していて、IoTの最新動向について、日々、
いろいろな方にお会いしてインタビューを行ったり、オピニオン記事を書いたりしています。
そうした記事を発信していく中で、「小泉が、いろんな事例を紹介してくれるのはいいけど、そもそも
IoTってよくわからないよ」という声が多いことから本書の執筆を考えました。
そもそもなぜ、これほどまでにIoTが騒がれるのかというと、IoTによって起きる衝撃が、「すべての
人に関係すること」だからです。
「IoTは、バズワードだ」「一過性の流行語だ」と批判的に言う人がいるのですが、IoT社会の到来は、
インターネットと社会の変化、技術の進歩などの歴史を考えると必然であり、決して「バズワード」
「流行語」と揶揄するようなものではありません。
実際は、すべてのビジネスマンがIoTによる変化を真摯にとらえ、自らのビジネスに取り込んでいく
ことが必要なのです。
北米やヨーロッパなどでは、「IoT」が2〜3年前から話題のキーワードとなっており、すでに多くの
製品やサービスが生まれ、いくつかの成功事例も出てきている状況です。
モノづくりの方法から、サービスの提供の仕方、資金や人材の調達の仕方まで世界規模で変わろうと
しています。
そんななか、日本のビジネスマンは最近になって、「IoT」という言葉を知り、「何だ、それは?」
「また何か始まったのか?」と驚いているところだと思います。
しかし、驚いていても世界は待ってくれません。
基本的な理解なくしてIoTについて考えると、ワケがわからない状態となるはずです。
なぜならIoTは、それくらい複雑な内容だからです。
そこで本書では、基本的なことからつまびらかにしていき、事例を交えて丁寧に説明することで、
読者の方に、「IoTってこういうことだ!」
「IoTがどう社会を変えるのかがわかった」「IoTを自分の仕事に取り込むと、こういういいことが
ある」といったことがわかるようにしていきます。
さらに、IoTを考える上で最も重要な「着眼の仕方」も解説していきます。
本書を読み進めることで、IoTの概念とそれによる変化を適切にとらえて、自分の中に取り込んで
ほしいと思います。
また、本書は決して「事例集」ではないので、最新事例を知りたい人は、ぜひ『IoT NEWS』の更新
情報を見てください。
バズワード(英: buzzword)とは、定義が曖昧でありながら、権威付けする専門用語や人目を引く
キャッチフレーズとして、特定の時代や分野の人々の間で通用する言葉のことである。
コンピュータの分野で良く使われるが、政治など広い分野で使われる。
この続きは、次回に。