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IoTビジネス入門 ⑩

■   IoTで電気代を節約する

 

家ナカのIoTでできることとして、「家電をコントロールする」ことがあります。

コントロールといっても、テレビをつけたり消したりするくらいのことであれば自分でやるよ、と

いう人も多いと思います。そこで、まずは家計に直結する「電気代を安くするIoT」について説明して

いきたいと思います。

 

まずは、電気代の大きな部分を占めるエアコンについてです。

猛暑日を思い浮かべてください。外出先から帰宅した際、家の温度が高くなりすぎていてつらい思いを

したことがあると思います。

壁も熱を持ってしまっていてエアコンを少しつけたくらいでは部屋は冷えません。

そこで、「外出先からエアコンがコントロールできればよいのに」と思ったことはないでしょうか。

実は、そういう外出先からエアコンをコントロールできるIoT製品はすでにあります。

ところが、最近のエアコンは省エネ性能にすぐれていて、「つけっぱなし」のほうが、消費電力が

少なくなることもあるようです。つまり、外出先から電源をコントロールするよりも、特に猛暑日や

凄く寒い日の場合、家ナカの温度をどういう状態にしておけば一番無駄な電力を使うことなく、在宅

時に「暑い」「寒い」で悩まなくなるのかを制御したほうが良いことになります。

たとえば猛暑日で、家にヒトがいるときは涼しめに、ヒトがいなくなったら外気の暑さで暖まり過ぎ

ない程度に冷やしておく。もちろん無駄な電力は使わなくていいように、室内の風の通りも制御して、

空気を循環させておく。

日中はソーラー発電の電気をなるべく使うようにする、といったことを細かくやっていくとよいのです。

しかし、ヒトにはそんな細かな制御は難しいので、機械にやってもらおうというのが家ナカの省エネに

役立つIoTなのです。

現在、「冷暖房」「床暖房」「浴室乾燥機」「ソーラーパネル」「各種電灯・電源」など、様々な

家ナカの電気製品の使用状況を可視化するHEMS(ヘルス)というモノが家電メーカー各社から

すでに登場しています。

HEMSとは、Home Energy Management System の略で、その名の通り、家ナカのエネルギー利用

状況を可視化・管理するためのシステムです。

これに加えて、電力会社が、各家庭の消費電力を単位時間あたりで測定し続ける、「スマートメー

ー」というモノの導入も計画しています。

HEMSとスマートメーターの2つを組み合わせると、家ナカでの電力消費状況の可視化と、実際の電力

使用状況と電気料金、ソーラーパネルなどでの発電・売電状況がすべて把握できるようになるのです。

 

しかし、「電力を可視化するだけなら、室温の調整とはまったく関係ないし、電気代が安くなったり

しないのではないか?」と思うことでしょう。

そこで、人工知能が活躍するわけです。

HEMSは家ナカの電力消費情報を集めてくるので、住人の一日の行動や、どういう温度に部屋を保つと

心地よいと思うか、明るさはどれくらいが適切なのか、といった情報を集めることができます。

この時系列のデータとともに、外気温や天気などの外的情報と掛け合わせて住人の心地よい状態を

人工知能が学習することで、部屋の電力になるべく無駄がないようにしつつも、室温を快適にコント

ロールするようになるのです。

こうして電力消費をうまくコントロールすることが可能となり、その結果、家の電気代を節約する

ことができるようになるのです。

さらに、インターネットを介してこれらの情報が共有されれば、街全体の電力も最適化できます。

無駄な電力をつくることのない、省エネ社会もこうやって実現されるのです。

 

 

 

この続きは、次回に。

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