通勤大学実践MBA 事業計画書 ⑤
2-3 読み手に合わせてカスタマイズ
ビジネスプランはさまざまな読み手を想定して書かれます。
第1章では、
① 自分、 ② 社内、 ③ 外部の利害関係者、 と少なくとも三者の立場でビジネスプランを考える
重要性を挙げました。
ここでは特に直接的な読み手として、③の外部利害関係者を考えます。
たとえばベンチャーキャピタルへ提示する場合は、事業の将来の発展性についての十分な説明が
必要です。
ベンチャーキャピタルは大きく発展する可能性のあるベンチャー企業に投資してキャピタルゲインを
得ることを目的とします。
そのため、たとえリスクが低くとも、大きく発展する可能性のない事業にはあまり興味を示しません。
もっとも、それぞれの投資スタイルには違いがあり、中には比較的ローリスク・ローリターンの企業に
出資する場合もあります。
同じベンチャーキャピタルでもそれぞれの投資スタイルは異なるので、事前に相手の特長などを
知ったうえで強調すべき箇所などを変更することが大切です。
また、事業的にシナジー(相乗効果)のある企業に対して資本提携のための説明をするには、当然、
相手企業の既存ビジネスとのシナジーについて深く説明すべきです。
なぜなら、ベンチャーキャピタルの場合とは違って戦略的な意味合いが発生するからです。
そのため、相手企業にとっての戦略的なメリットについて、相手の企業やサービス内容、
各組織名を用いて具体的に説明することが大切です。
一方、銀行に対しては、確実に元本と利子を支払うことができるという点に焦点を絞ってプランを
作成する必要があります。
基本は前の二つのケースと変わりませんが、構成はかなり違ってきます。
このように、読み手を考慮して常にカスタマイズしていくことがビジネスプランでは大切なのです。
◉ 読み手に合わせたカスタマイズ ◉
① ベンチャーキャビタル
低リスクでも発展性のない企業には投資しない
↓(目的:キャビタルゲイン)
事業の発展性について十分説明
② 資本提携(事業会社)
既存ビジネスとのシナジーについて、相手の事業や組織名とともに深く説明
③ 銀行
確実に元本と利子を支払うことができるかを重視
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相手と目的に応じて内容・構成をカスタマイズする
この続きは、次回に。