お問い合せ

通勤大学実践MBA 事業計画書  ⑥

2-4 何度も書き直して完成度を高める

 

ビジネスプランは、一度作成したら終わりではありません。

ビジネスプランを投資家や銀行、取引先に持っていくと、さまざまな質問を受けます。

あらかじめ想定される質問で、簡単に答えられるものもあるでしょう。

しかし、中には自分が考えたことのない視点からの質問もあり、それについて自分なりに考え、

必要とあらばプランを練り直すことが求められます。

また、たとえその場ではうまく回答できなかったとしても、後で素早く補足説明したり、

場合によっては修正案を提出してくる経営者は高く評価されます。

 

さらに、ビジネスプランはある時点のプランにすぎません。

そのため、事業開発の進展具合や事業を取り巻く環境の変化に応じて新しい情報を取り込み、

適宜変更していく必要もあります。

さまざまな変動要因を組み入れて、より説得力のあるプランに徐々に仕上げていくのです。

中には、ビジネスプランが一通り完成してから出資が決まるまでの約半年間で、何十回もの

細かな修正が加えられるというケースもあります。

ビジネスプランを継続的に、より説得力のある方向へ書き直していくプロセスは、経営者自身に

とっても意味があります。

プランを考え直すことによって頭の中が整理されるだけでなく、その過程において他の経営幹部との

議論が生まれ、プランに対する共通意識を見出すことができるのです。

そして、これはプランの実行段階において“非常に”重要な点となります。

ビジネスプランは一度作成すれば完成するものではなく、常に改善すべきものであることを

念頭に置いて情報のアンテナを張っていると、それを見逃すことなく、またプランにどう活かして

いくかを考えながら、常にビジネスプランを改善していく努力が大切です。

 

  ビジネスプランの更新 

 

    1. 投資家などから受けた質問に対応した修正案に適宜アップデート

        2. 事業開発の進捗状況や、環境の変化に対応した形へ適宜更新

                ↓ 

              ●  プランを考え直すことで、経営者自身の頭の中が整理される

        ●  他の経営幹部との議論を通して、プランに対する共通認識を生む

 

2-5 客観的な資料でサポートする

 

主観的に大きなビジネスプランを描くことは簡単です。

ただ自分の直感にまかせて絵を描けばいいだけのことですから。

そして、その事業に精通している有能な経営者であれば、その直感が示すところはおよそ

正しいのかもしれません。しかし、第三者に「その内容には信憑性がある」と感じさせるためには、

客観的な資料などで裏づけを行う必要があります。

 

たとえば、新聞・雑誌の記事で、自分のビジネスプランが狙っている市場に関するものがあれば

添付したり、技術的な判断を要したりするものであれば、専門家の意見などを添付することも

有効となります。

 

客観的な資料で裏づけることの効果は二つあります。

まずは、今述べたようにプランにある程度の客観性・信憑性を与えてくれるという点。

たとえば、ビジネスプランをサポートするような市場規模・環境に関する記事などは、

プランの信憑性を高めてくれます。

プランに客観性を持たせ、信憑性を高めると同時に、ビジネスプランの読み手に対して

当該市場の動向について説明(教育)し、彼らの判断を迅速化するという効果もあります。

ビジネスプランを書いている本人はその業界構造について詳しいでしょうが、通常、読み手は

同じ程度の知識を有してはいません。

プレゼンテーションを聞いた後、その業界について詳しい調査を開始するのです。

そのため、プレゼンテーションの際に業界動向についての記事などが添付されてあれば、

読み手の学習速度はあがります。

そして結果的に、ビジネスプランのレビューなどといった投資決定までに必要なプロセスも

早まることになります。

 

客観的データの活用

 

        ① 新聞・雑誌の記事

        ② 専門家の意見

        ③ 調査機関などによる統計データ

       ↓

        客観的データの活用

       

      ① プランに客観性を与え、信憑性を高める

      ② 読み手の判断の迅速化

 

 

この続きは、次回に。

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