「フランチャイズ」ビジネス ②
フランチャイズ
概説[編集]
一方が自己の商号・商標などを使用する権利、自己の開発した商品(サービスを含む)を提供する権利、
営業上のノウハウなど(これらを総称してフランチャイズパッケージと呼ぶ)を提供し、
これにより自己と同一のイメージ(ブランド)で営業を行わせ、他方が、これに対して対価
(ロイヤルティー)を支払う約束によって成り立つ事業契約である。
通常、権利や商標、ノウハウなどを提供する側をフランチャイザー(本部)と呼び、受ける側を
フランチャイジー(加盟者・加盟店)と呼ぶ。
外部資本を利用し、短期間で多くのチェーンストア店舗展開を進めることを目的とするため、
フランチャイズチェーン(FC)と呼ばれることが多い。
法的には中小小売商業振興法などによって規制される。
適用される業態としてはコンビニエンスストア等の小売業の他、ラーメンや弁当、ファストフードなどの
外食産業、不動産販売、自動車の整備、近年では小型のフィットネスクラブ、学習塾、CDレンタルと
いったサービス業に至るまで多岐にわたっている。
世界初のフランチャイズは、アメリカで生まれたケンタッキーフライドチキンとされる。
日本では、1960年代に不二家(レストランおよび洋菓子販売のチェーンストア)やダスキン
(清掃用具のレンタルチェーンストア)、1970年代ではセブン-イレブン(コンビニエンスストア)、
モスバーガーなどの外食産業がフランチャイズ型の事業展開をしている。
また、明治時代に生まれた特定郵便局についても、広義のフランチャイズ事業であると言える。
同じ名前の店舗であっても全てがフランチャイズ店舗とは限らない。
実績を積んで成功した直営店を模範にフランチャイズ展開するのが基本であるため、外見上は
区別の付かない同名の直営店とフランチャイズ店も存在する。
ただし、フランチャイズ展開を行うとFC店舗数が急激に拡大、直営店に比べてその比率は圧倒的に
FC店が高くなる。
直営店とフランチャイズ[編集]
それを示すマークが、店名の前に入っている。
一般には、同じブランドの店舗でも直営店とフランチャイズが共存することが多いが、企業に
よって「直営店中心の展開で、補助的にフランチャイズ展開する」「本部に近い地域は直営店で、
遠方はエリアフランチャイズで展開する」「一部の実験店などを除き、基本的にはフランチャイズで
展開する」など、店舗展開の手法はまちまちである。
中には、センチュリー21・ジャパンのように直営店を全く持たず、全店舗がフランチャイズという
事例もある[1]。
また、一般消費者向けのWebサイトで直営店とフランチャイズ店を識別するためのマークを付ける、
店頭に運営会社名やマークを表示するなど、直営店かフランチャイズかを容易に識別できるように
なっている例もあるが、特段そういったものを用意していない例も多い。
ENEOSのガソリンスタンドの場合はポールサイン下部および店舗入口上部付近にフランチャイジー
(系列店・特約店等)の社名やロゴマーク[2]を表示している。
別の例としては、JR北海道とダイエーの合弁会社北海道ジェイ・アール・ダイエーの様に既存の
ダイエー店舗と区別するためにJRダイエー(JR Daiei)という名前の別ブランドを立ち上げていた例がある。
また、鉄道系列の小売子会社と大手コンビニが手を組んだ際、両社のブランドを足した独自名称を
採用するところもある(例:「セブン-イレブンハートイン」・「近鉄駅ファミ」等)。
サービス品質[編集]
本部側にとってリスクの高い直営店では厳しい経営管理が要求され、本部にとってリスクの少ない
FC店舗はオーナーによる経営管理まかせになることが多いので、直営店とFC店では消費者への
サービスの差が大きい傾向がある。
その一方で、数年間にわたる店舗勤務の後にのれん分けのような形でフランチャイジーとなることが
できる壱番屋[3]や、フランチャイジーの希望者に何度も面接を行い他のオーナーの訪問も行った上で
レポートを求めるモスバーガー[4]など、本部との意識共有を重視するフランチャイザーも存在している。
この続きは、次回に。