シェア < 共有 > からビジネスを生みだす新戦略 ⑨
□ 「みんな」世代
✔︎ 今、「価値観をもたない」子どもたちの世代が、これまでにない仕組みを発明し、世の中を
変えようとしている。
貧困層コミュニティのための格安インターネットサービスのメラキ[Meraki]や、クリエイティヴな
プロジェクトを支援するクラウドファンディング型資金調達サイトのキックスターター
[kickstarter]、共通の興味をもつ人たちが簡単にオフ会を立ち上げることを支援するオンライン
プラットフォームのミートアップ[Meetup]、オープンソースのブログ作成するソフトウェア、
ワードプレス[wordpress]といったコミュニティ・ツールなどだ。
これらのベンチャーは、すべて三十路前の起業家によって始められた。
彼らの呼び名はさまざまだが(ジェネレーションY、ジェネレーション・ウィー[We]、
ミレニアム世代)、共通点がひとつある。
それは、コラボレーションの時代に生まれたことだ。
シェアとコラボレーションは彼らの生活に根づいた習慣になっている。
ミレニアム世代は、IP電話を使い、チャットルームやソーシャルフォーラムで人々に出会い、
音楽や書籍やビデオをアップし、世界中の人たちとその日の出来事や自分の考えをシェアする。
価値観の転換はこれまでにもあった。60年代から70年代の市民権運動がそうだ。
新しい習慣や考え方、ヴィジョンが根づくには、地球規模で原則を行動に変えるネット
ワークやプラットフォームが必要だ。
本章で議論してきた変化は、今この時代にテクノロジーの進化と文化的発展が今までにない形で
融合して、新しい価値の実現が可能になったばかりでなく、それを維持することが可能に
なったからこそ起こっているのだ。
シェアはいつの時代もネットワークに頼ってきた—–しかし今、その規模も意義も、可能性も
変化しつつある。言うまでもなく、その新しいプラットフォームがインターネットだ。
□ 快適にシェアする
※ 省略致しますので、購読にてお願い致します。
□ 数の力
クラウドソーシングの成功は、人々が自分勝手な消費行動、つまり「自分モード」から
抜けだして「みんなモード」になると、よりダイナミックな力が生まれることを示している。
とりわけオンラインのネットワークは、人々を再びひとつにし、古くからある経験則を
簡単に生かせるようにする。
それが「数の力」だ。その上、オンライン上のシェアとコラボレーションのインパクトは
ヴァーチャルな世界にとどまらない。
オフラインにも訴求し、文化、経済、政治、消費の世界に変化をもたらしている。
この続きは、次回に。