シェア < 共有 > からビジネスを生みだす新戦略 ㉒
第七章 みんな一緒—コラボ的ライフスタイル
「お金は好きよ。それがないとできないことがたくさんあるから」と彼女は認めているが、
それと同時にお金は「単なる媒体で、欲しいものを得るためのてっとり早い手段」だと
みなしている。
値札についている金額を払えば、それが手に入る。
「交換は人間同士の関係性が必要なわけではなくて、お互いの価値について合意するための
コミュニケーションが必要になるの」と言う。
プロダクト=サービス・システムと再分配市場は、モノやサービスを消費する理由や方法を
見直すことにつながる二つのシステムだ。だが、私たちの日々の生活に欠かせない、形の
ないものや個人的なものはどうだろうか?
知識、時間、仕事場、創造性、お金、家、庭、そしてその他の社会生活における場といった
ものはどうなのか?
交換したり、貸したり、あげたり、またはスワップしたりできるのは、スーバーで手に
入るようなものだけではない。
寝場所、庭、オフィス、駐車場、作業スペース、食事、おつかい、スキル、庭で採れた作物も
シェアできる。
こうしたもののやりとりが、私たちがコラボ的ライフスタイルと呼ぶシステムをとおして
拡がっている。
モノやサービスを、お金ではなく他のモノやサービスと交換するという考え方は、もっとも
古い取引の形態だ。古代の社会で、人々は、金属や穀物、家畜などを交換していた。
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□ 取引しよう
いらなくなったものや飽きてしまったもの、または余りものを活用して、必要なものを
手に入れるという考え方は、100パーセント理にかなっている。
私たちはだれしも、これまでの人生で、なにがしかのスキルを身につけている。
自動車を修理できる人もいれば、税金に詳しい人もいるし、外国語に堪能な人も、また
野菜を育てるのが得意な人もいる。
時間に比較的余裕のある人もいれば、自分だけの空間やモノや専門的な知識を持っている人も
いる。また、ほとんどの企業には、オフィスのスペースや社員の時間といった活用しきれて
いない資産がある。
ホテルには空室があり、飛行機には空席がある。
美容師、会計士、歯医者やその他の手に職をもつ人たちには、週のうちに予約の入って
いない時間がある。小売店には在庫が余っている。それなのに、私たちのほとんどは、
こうした資産を、必要なものや欲しいものを手に入れるために使おうとしない。
おそらく、物々交換には一定の信頼や尊敬が必要で、モノの価値について相手の言葉を
信用できなければ、取引が成立しないからだ。
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こうしたオンラインの物々交換のマーケットプレイスはだいたい同じような仕組みになっている。
自分たちは実際に商品やサービスを持たず、取引を完ぺきに仲介したり手助けするだけだ。
企業または個人がモノやサービスを提供すると、交換ドル、あるいは交換ポイントが自分の
口座に貯まる。
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この続きは、次回に。