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シェア < 共有 > からビジネスを生みだす新戦略 ㉗

これが本当の一生モノ

 

明らかに欠かせない要素のひとつは、長持ちすることだ。

とりわけ再分配市場やプロダクト=サービス・システムでは、売り上げ個数ではなく、

利用回数によって利益が生み出される。

 

デザイナーは、陳腐化を組み入れるのではなく、いつまでも長くて使えるような製品を

つくらなければならない。

長持ちするといっても、破れたり壊れたりしないような耐久性のある素材を使ってデザイン

するという意味だけではなく、継続的に改良できて、将来のリユースや再販、または修理を

念頭に置いて解体しやすいもの—-コンピュータ、衣服、電話、カメラ—をつくると言う

意味でもある。

 

現実的には、ほとんどの消費者は長い間同じものを持っていると、自動車、パソコン、携帯、

あるいは椅子でさえも、飽きてくる。

飽きっぽさゆえに、いりもしない「最新、最高」のものを次から次へと大量に買い込み、

去年買ったものを捨ててしまう。

人はイノベーションとヴァリエーションを求める。

私たちは「新しさ」と「変化」を欲しがる。人を叱っても—「してはいけません」と言った

ところで—-利己的な行動が変わるわけではない。

デザイナーは、「何を消費するか」だけでなく「どう消費するか」を考え直し、つくり

直さなければならない。

 

ワイアード誌の最新号で、デザイナーのブルース・マウが指摘するように、デザイン的

思考の次の波は、否定ではない。まさに、デザイナーたちはコラボ消費がかっこいいと

言われるように努力していかなくてはいけない。

皮肉なことだが、私たちが心から欲しいと思わなければ、サステイナビリティは実現できない。

 

つまり、デザイナーの役割は多様化しているということだ。

デザイナーが、コラボ消費のシステムのますます多くの面に影響を与えるようになるにつれ、

その責任も拡がっている。

 

デザイナーの役割は、パターンを見つけ、一見関わりのないもの同士をつなげ、解決しなくては

いけない問題がどれかを判断し、人々が何かを使う理由と使わない理由を見分け、ウォンツと

ニーズを発見し、考え方を形にし、未来を想像することだ。

デザインの世界は仮定を再発見し、「もし?」や「どうしたら?」を「できること」に変える

ためにアイデアを組み直す。

 

デザイン的思考は、コラボ消費の世界をただの可能性で終わらせずに、私たちの消費者としての

わがままや欲望、そして言葉にならない欲求を、これ以上モノをつくるという以外の方法で

満たすような、真に実現可能なソリューションにするために欠かせないものになるだろう。

それよりも、どんなものであれ、それを自分がつくりあげたあとも、長く生きつづけ、

呼吸しつづけるプロセスに参加していると感じることになるだろう。

 

 

 

この続きは、次回に。

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