お問い合せ

書籍「10年後の自分」を考える技術 ⑨

✔  人生は「おはじき」に似ている

 

みなさんは「バタフライ効果」という言葉を知っているだろうか?

 

「風が吹けば桶屋が儲かる」にも似ているが、「ブラジルでの蝶(バタフライ)の

羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こす」ということで、カオス論を説明する際に

用いられる隠喩である。

 

—インターネットより抜粋—-

 

いん‐ゆ【隠喩】

 

「…のようだ」「…のごとし」などの形を用いず、そのものの特徴を直接

他のもので表現する方法

 

ここではカオス論の詳しい説明は省くが、要はくり返し言っているように

「初期の小さな変化が、のちの大きな変化を巻き起こす」ということだ。

小さな要素の組み合わせでも未来に大きな影響を与えるのだから、正確な

未来予測なんてできるはずがない、という意味でも使われるが、私は少し

違った意味でこの言葉を捉えている。つまりこういうことだ。

 

—インターネットより抜粋—-

 

カオス理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/01 07:13 UTC 版)

カオス理論(カオスりろん、: chaos theory、: Chaosforschung、

: Théorie du chaos)は、力学系の一部に見られる、数的誤差により

予測できないとされている複雑な様子を示す現象を扱う理論である。

 

「どんなに小さな一歩でも、のちに大きな流れになって戻ってくる。

だから最初の第一歩を力強く踏み出すことが大切である」と。

 

あらゆる縁が、自分が取った「小さな行動」から始まっていることが

わかってくる。

 

私がイメージするのは「おはじき遊び」だ。

おはじきがイメージできなければ、ビリヤードの最初のひと突きを想像して

もらってもかまわない。

おはじきを思い切り弾くと、パーッと弾きあって、自分が予想もしなかつた

おはじきがカチンと動く。しかし、最初のおはじきの弾き方が弱いと、

まわりの2、3個しかおはじきが動かない。

そもそも弾きさえしなければ、他のおはじきは微動だにしない。

 

つまり、行動を起こせば、自分の予想もしない動きも出て来ようということだ。

逆に、動かなければ、絶対に何も起きない。

 

行動した数に比例して出会いも増えるし、人生の幅も広がっていく。

俯瞰して人間関係を見てみると、そういうこともわかってくる。だから、

どんな出会いも、どんな行動も、そしてどんな過ちや失敗も、ムダではないと

信じることができるようになってくる。

 

✔  これは、「今」を肯定することに他ならないだろう。

 

今そのものを否定してしまうと、「あのときの失敗がなければ、今こんな

ツライ目にあわなくて済むのに」とか「あのときあんな行動をしなければ、

今こんなに不幸じゃないのに」などと考えてしまう。

思いが過去だけに向いてしまう。

 

ガイダンスで私は「健全な危機感を持て」という話をしたが、それは

「健全に前を向き続ける」という意味でもある。

 

前を見て、今の足元を見る。

そうすると必ずギャップがあるので、「健全」危機感も生まれてくると

いうことだ。

行動力のある人間は、そのあたりのことがよくわかっている。

 

自分の小さな行動が将来必ず大きな結果につながることを理解し、信じていて、

だからこそ行動できるのだ。

 

一方、つながりの先まで考えようとしない人は、「結局こんなことやったって

何も変わらない」とあきらめ、行動せずに終わってしまう。

未来ではなく、うまくいかなかった過去しか見えていない。

そして、まわりが悪い、会社が悪い、社会や時代が悪いなどと愚痴を言う。

これでは人生の主体性はいつまで経っても向上しないだろう。

自分の「今」という結果の根っこの原因を自分の外に求めているのだから、

まわりが変わらないかぎり、自分も変わるわけがない。

そして、まわりが自分の思う通りに変わるなんてことは、滅多にないことが

わかるっていない。

 

自分の「今」について客観的に捉え、危機感とともに前を向き、行動を

変えることができれば、人生の主体性は一気に上がるのだ。

 

✔  Strength of Weak Ties

 

昨今、研究テーマとして「ネットワーク理論」が注目されているが、その中に

「弱い絆の強さ(Strength of Weak Ties)」という考え方がある。

これは、スタンフォード大学の社会学者マーク・グラノヴェターが提唱した

概念である。

 

同僚や友人のネットワークは、ひとりひとりを示す「点」同士が互いに

つながっている。

ネットワークのなかに「強い絆」が存在するということだ。

 

では、どうすれば交友関係が劇的に広がるのか?

それは、自分とはまったく「異質」に人たちと交流したときである。

 

グラノヴェターは、そうした「弱い絆」、つまり、滅多に顔を合わせないとか、

ふだん交流がないという意味での「かすかな絆」が大事なのだと言って

いるのである。

 

✔  弱い絆は財産になりえる

 

ここには、今の時代、私たちがこれからどう行動し、どう他人とつながる

べきかのヒントが隠されていると思う。

 

1つ目のポイントは、「弱い絆」を意識的に維持し続けることだ(だから、

弱い絆の「強さ(Strength)」が大事だと言われているのである)。

 

自分が毎日会っているような人ではなく、たまにしか合わない人たちと

定期的にでも情報交換したり、自分とはふだん縁がない人たちのグループの

会合に出たりするほうが、情報もネットワークも広がるということである。

グラノヴェターも「個人の観点では、弱い絆は重要な財産なのだ」と言っている。

 

いま、フェイスブックやツイッターが人気になっているが、ただ時間潰しや

自己顕示、情報入手のためだけにやるのではなく、「弱い絆」を維持する

つもりでやると、世界の広がりが変わるだろう。

 

 

この続きは、次回に。

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