「終活」を考える ⑤
終活3:お墓を決める
終活でやるべき3つ目の項目はお墓を決めることです。
後悔しないために、お墓の種類と選び方のポイントをお伝えします。
●お墓の種類
・公営墓地
各都道府県や市町村が運営している墓地です。
限定された募集期間内での公募・抽選によって選ばれます。
また、墓石の大きさに制限がある他、公営墓地の所在地と同じ地域の
住民でなければならないなどの条件があります。
・民営墓地
公益法人・宗教法人といった民間事業者が運営している墓地です。
公営墓地に比べて購入する側に必要な条件や資格の制限が少ないという
点がメリットです。
ただし、公営墓地より購入費用が割高な傾向があります。
・寺院墓地
宗教法人が運営する寺院墓地では、寺院と「檀家(だんか)」の関係を
築くことが条件になります。
檀家とは、寺院にお布施(ふせ)と呼ばれる経済的支援をすることで、
寺院が法要全般を担うという、従来の日本に伝わる伝統的な制度です。
・永代供養墓地
主な運営者である寺院が、永代にわたって個人のお墓の供養と管理をして
くれます。永代供養は納骨の際に使用料を一括で払い、その後の管理費も
発生しないのが一般的です。最近は、家庭環境の変化や少子化などから、
公営墓地でも永代供養を求める人が増えつつあります。
●お墓を選ぶときのチェックポイント
・宗派
公営墓地や民営墓地は宗派の指定がないものの、宗教法人が主体の寺院
墓地では、宗派による制限があります。よって、寺院墓地を検討する場合は、
寺院の宗派はもちろん、自分の宗派を確認する必要があります。
また、仏教は原則として寺院ですが、神道は神社、キリスト教は教会に
なりますので、管轄の違いにも注意しましょう。
・立地条件と設備
場所によっては交通機関でのアクセスが困難だったり、墓地自体が丘陵地に
面していたりすることもあります。
立地選びの際は、駐車場や永代供養の有無、バリアフリー構造の有無、
交通面などを視野に入れて検討することが大切です。
・費用
お墓を購入する際にかかる費用は、主に「墓石代」「永代使用料」「年間
管理費」の3種類に分けられます。
墓石代は石の種類から施工費まであり、石の使用料によっても価格は
変動します。
永代使用料は、契約時に1回だけ納めるのが基本で、不動産の相場のように
立地条件やアクセスなどで価格が変動します。
年間管理費は、公営墓地→民営墓地→寺院墓地の順に価格が高くなり、
年に1度管理者に支払います。
・環境
安らかに眠れるよう、納得できる環境を選びたいところです。
本人と関係する土地や夫婦・家族との思い出の場所など、立地条件と
照らし合わせながら適切な場所を検討しましょう。
日照時間や積雪、寒暖差といったシーズンごとの特徴、地盤や水はけなど
地形の特徴も判断基準になります。
● 死と向き合い、限りある時間を良いものに
終活は、自分の人生を全うし、残される家族のために行う大切なもの。
自分の老後について考えたいという方は、思い立った日から始めると良い
でしょう。また、現在両親や義理の両親を介護中の方は、彼らの残りの
時間を充実させるためにも、終活を勧めてみてはいかがですか?
最後まで自分らしく生きるためには、死から目を背けず、限りある時間の
上手な使い方を考えることが重要なのです。
この続きは、次回に。