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書籍「すごい物流戦略」④ ニトリ

・ 品質問題と格闘しながらも、海外生産体制を構築

 

ニトリグループでは商品の約90%を、部品の調達(一部部品では自社

製造も行っている)から組立まで海外で生産しています。

インドネシアとベトナムにある自社工場のほか、海外協力工場(中国、

パキスタン、バングラディッシュ、インド、大韓民国、香港、台湾、

フィリピン、タイ、カンボジア、マレーシア、シンガポール、トルコ、

エジプト、フランス、スペイン)を活用しています。

 

現在、海外生産品の品質管理は、製品検査、パッケージ強度、安全性

検査などを500人体制のもの、自社工場はもちろん、中国の協力工場

にもスタッフを常駐させ、厳しい目を光らせています。

 

・海外生産工場からお客様への配送まで、すべての工程で自前の

    物流網を構築

 

ニトリグループでは、グループ内企業の分業により海外調達品の現地

輸送から、お客様のお宅まで組立設置に至るラストワンマイルまで、

トータルロジスティックスを実現しています。

「お、ねだん以上。」の品質・機能を持つ商品を手ごろな価格で提供

するため、ニトリグループはサプライチェーン全体でのコスト削減を

図り、海外の生産工場から、お客様の手元に届くまでのほぼすべての

工程を自前の物流網で構築・運営しています。

海外の港から日本の主要港へ海上貨物として輸入し、国内約450店舗へ

商品を供給。同時にお客様の元にも直接届けています。

国内には全国主要都市への配送を見据えた9つの物流センター、78の

配送センター(営業所)、7つの発送センターがあり、全国どこへでも

商品を供給できる自前のネットワークを構築しています。

ラストワンマイルでは、大型商品を届けるだけでなく、組立や設置などの

スキルを持った配送員(セールスマン)が訪問し、お客様の要望にも応えて

います。

 

・商品ごとの物流経路をはっきりと分けて管理

 

ニトリグループでは、商品の形態によって、物流センター(DC)、配送セン

ター(営業所)、発送センターそれぞれの活用により、お客様の手元に届ける

までの物流ルートを使い分けています。

 

● 物流センター( DC)

● 発送センター

● 配送センター(営業所)

● 海外物流センター

● 貿易改革室

 

・ホームロジスティックスのさまざまな取り組み

 

● 協力会社との契約ないよう見直し

● 高速配転、人財育成

● システム部門の再構築

● EC事業の運営業務移管

● 平日・土日祝日別料金制度

 

・ロボット倉庫の今後

 

ホームロジスティックスでは、ロボットの積極的な導入により、物流

倉庫内の作業の効率化、労働環境の改善を進めています。

 

ニトリグループでは、さらに2022年の稼働をめざし、埼玉県幸手市に

国内最大級の物流センター「幸手DC」の新設を決定しました。

幸手DCにもロボット導入を考えています。

 

・物流プラットフォームとしての新展開

 

ホームロジスティックスは、ニトリの物流を主に担う会社です。

しかしニトリの規模が拡大するにつれ、物流量も増え、ホームファニ

シングのような小物から届け先での設置作業が必要になる大型家具まで、

効率的に届けるノウハウも十分に蓄積されてきました。

今やホームロジスティックスは、一般の物流専門会社にも負けないような

物流プラットフォームに進化しています。

そこで新たな展開としてスタートしているのが、外販事業です。

契約企業に物流システムを公開し、ホームロジスティックスの物流網を

有効活用することにより、契約企業の物流コスト圧縮を目的として展開

するものです。

家具やインテリアの業界でもEC化は進んできていますが、ネット専業も

含めどの会社も購入者の自宅への配送にそろって頭を悩ませています。

特に家具などの大型商品は、作業員が屋内での設置までを行なうことから、

車や人員の手配など非効率的な部分が多く、「ECで頼んだのはいいが、

その後のサービスが悪くて後悔した」という声を聞くことも少なくあり

ません。

そうしたお客様のニーズに応えられるのが、同社の外販事業です。

 

ここまで、31期連続の増収増益を達成してきたニトリのさまざまな取り

組みを紹介してきました。さらに同社は、ネット消費の進展に対応する

ため、都心型小型店を出店し、物流を絡ませたオムニチャネルに果敢に

挑戦していきます。

他業種の小売チェーンにとっても、モデルになる取り組みになると期待

しています。

 

 

 

この続きは、次回に。

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