書籍「すごい物流戦略」 総括
この書籍「すごい物流戦略」は、2018年8月1日、第1版第1刷発行となって
おります。
2021年2月26日現在から遡ること、約2年6ケ月前となります。
現在、昨年からの新型コロナウイルスの影響で、多くの企業にとって大変な
状況に陥っています。
今回、この書籍で取り上げられているアマゾン、ニトリ、アイリスオーヤマ、
ZARA、DHLの企業にも、新型コロナウイルスの影響 が出ております。
● Amazonの2020年売上は3860億ドルで37%増、日本円で41兆円。
直販ECは4割増の1973億ドル、第三者販売は5割増の804億円。
Amazonは2月2日に2020年度の決算を発表、新型コロナウイルス感染症
拡大で売上高は好調。Amazonが商品を仕入れて販売する直販の全売上高
(ネット通販と実店舗売上の合算)は2159億1500万ドルで、前期比で
34.6%増
● ニトリホールディングスは6月25日、2020年3~5月期決算を発表した。
売上高は1737億円で前年同期比3.9%増えた。
緊急事態宣言を受け、最大で110店舗が臨時休業したものの、巣ごもり
需要や在宅勤務向けの家具の販売が伸び、EC(電子商取引)も好調
だった。
営業利益は同22.3%増の372億円。2020/06/29
● アイリスグループの2020年度決算(12月)は、売上高6,900億円、経常利益
9.0%、アイリスオーヤマ株式会社は、売上高2,185億円、経常利益12.4%の
見込みです。決算概要 アイリスオーヤマを含む29社のグループ総売上高は、
過去最高の6,900億円(前年比138%)、経常利益9.0%で増収増益となる
見込みです。2021/01/07
● ファーストファッションブランドの「ZARA」などを展開するスペインの
インディテックスは6月10日、2022年までに1000〜1200店舗を閉鎖
する一方、EC(インターネット通販)の売上高を全体の25%以上に
高める計画を明らかにした。新型コロナウイルス感染症のパンデミック
(世界的流行)を機に収益力が低下した店舗の閉鎖を加速し、ECへの
投資シフトを鮮明にする。
同社の20年2〜4月期の売上高は、前年同期比44%減の33億ユーロだった。
新型コロナの影響で最大88%の店舗を臨時休業したが、EC売上高が
50%増加した。4月単月では、EC売り上げは前年同月に比べて95%
伸びたという。
インディテックスでは、22年までに27億ユーロ(約3300億円)の設備
投資を行う計画だが、このうち10億ユーロをECの強化に振り向ける。
ECの売上構成比は19年に14%だったが、これを25%以上に引き上げる。
17億ユーロは店舗の近代化やテクノロジー投資などに使う。
例えば、スマートフォンアプリやウェブサイトで店舗の在庫を確かめて
オンラインで購入し、店舗で受け取れるようにする。
店頭在庫をリアルタイムで把握できるように、20年末までに全ブランドの
商品にRFID(無線自動認識)タグを全面導入する計画だ。
また、オンラインで注文した時点で発行されるQRコードを、店舗の
専用カウンターで見せるだけで商品を受け取れる仕組みや試着室を
予約できる機能なども追加する。
アプリを使って店頭商品のバーコードを読み取り、その場で決済できる
機能も搭載する。
インディテックスは現在、世界で約7400店舗を展開しているが、22年には
6700〜6900店舗にまで減らす計画だ。450店舗を新設する一方で、
小型店など1000〜1200店舗を閉鎖する。店舗数は減少するが、店頭
商品をECで購入する利用者が増えることで、既存店売上高は年率4〜6%
伸びると見ている。
● ドイツポストDHL、ネット通販の急増で2020年通期は予想を上回る
営業利益 2021年1月13日
ドイツポストDHLグループは1月12日、2020年12月期決算の営業利益が
予想を上回り、48億4000万ユーロ(約6150億円)だったという暫定的な
決算を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大によるネット通販の
利用増で、物流需要が急増したことが寄与した。
国内では、「旅行」「航空」「アパレル」「製造業」「外食・飲食」等々と
業種・業態別に影響が出ているようです。
—インターネットより抜粋—
●「もう旅行会社という考え方は捨てている」(JTB 山北社長)
「すべてを航空需要に頼っている事業構造を見直す」(日本航空 赤坂社長)
新型コロナウイルスで深刻な打撃を受けている旅行業界と航空業界を代表する
大手トップのことばです。
“人が移動すること”で稼いできた2つの業界は、従来のビジネスモデルでは
コロナの時代を生き残れないという強い危機感を持っています。
逆風の中でどんな方策があるのか。
2人の社長へのインタビューから探ります。(経済部記者 加藤ニール)
● 食品スーパーの「ライフ」がコロナ禍でも絶好調なのはなぜ
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ライフコーポレーション<8194>が好調だ。同社は新型コロナウイルスの
影響を理由に7月と9月に2度、業績を上方修正しており、2021年2月期の
売上高は当初予想より370億円増の7630億円(前年度比6.8%増)を見込む。
東京商工リサーチが2020年9月16日までに、新型コロナウイルスの影響を
理由に業績を上方修正した企業の適時開示情報をまとめたところ、売上高が
最も増えたのはこのライフコーポレーションだった。
スーパー最大手のイオン<8267>は2021年2月期第1四半期に、売上高が
前年同期に比べ1.9%の減収となり、営業損益は125億円の赤字に陥った。
ライフコーポレーションの強みはどこにあるのだろうか。
当期利益は約2倍に
ライフコーポレーションは7月に発表した業績上方修正の理由として、
新型コロナウイルスの影響で「急激な巣ごもり、内食需要が喚起され、
足元の売上規模が大きく拡大」したことをあげた。
9月に発表した業績上方修正の理由でも、新型コロナウイルスによる生活
習慣の変化で「足元の業績は引き続き想定を上回るレベルで推移している」
とし、業績修正と同時に配当を年間で10円増配することも決めた。
この2回の業績修正による増収効果で、営業利益は前年度比72.9%増の
240億円、経常利益は同71.7%増の250億円、当期利益は同約2倍の160億円
といずれも大幅な増益となる見込みだ。
80%を超える食品部門が寄与
同社のこうした好調の要因の一つに売上高構成比がある。
同社は食品部門の売上高が全体の80%強を占めており、生活関連用品や
衣料品などは一けた台にとどまっており、内食需要の拡大がダイレクトに
同社の業績を押し上げたことが分かる。
一方、イオンは日常生活で必要な物を総合的に扱う大型店の総合スーパーや、
食品や日用品に絞ったスーパーマーケットが全体の70%近くを占め、残りの
30%ほどはドラッグストアーやサービス・専門店、金融、デベロッパーなどの
事業で構成している。
2021年2月期第1四半期は、ライフコーポレーションと同様の形態である
スーパーマーケットが前年同期比増収増益を達成したものの、総合スー
パーをはじめとする他の部門が新型コロナウイルスの影響で振るわなかった。
この両社の構成比の違いが明暗を分ける大きな要因となったわけだ。
佐川急便もコロナ特需で上方修正
東京商工リサーチによると新型コロナウイルスの影響で業績を上方修正
した上場企業は186社で、上方修正によって増えた売上高の合計は2732億
1300万円だった。
巣ごもり消費で取り扱いが増えた佐川急便のSGホールディングス<9143>や、
日本郵船<9101>は、売上高が当初予想より200億円伸びたほか、当初
予想よりも100億円以上売上高が伸びた企業が6社あったという。
等々、いろいろな影響が出ております。
私は、新型コロナウイルス が収束し、早く日常生活に戻って欲しいと
願っている一人です。
<参考に>
● 新型コロナウイルス感染症の流行
「しゅうそく」はどちら?
新型コロナウイルス感染症の流行で「しゅうそく」という言葉が飛び
交っていますが、この場合は収束か終息かどちらが正しいでしょうか。
■ 基本的には「終息」
新型コロナウイルス感染症の場合は、基本的に「終息」の意味となる
場合が多くみられます。「新型コロナウイルス感染症の終息宣言」とは、
新型コロナウイルス感染症を完全制圧した状態です。
新型コロナウイルス感染症を完全に克服したと宣言するには、新規患者を
出さないほど徹底的に制圧しなくてはなりません。
現在の状況から言えば、新型コロナウイルスに有効なワクチンや抗体の
獲得などによって、新型コロナウイルスの感染を完全に抑え込むには、
まだまだ歳月がかかるという状況です。
■ 文脈によっては「収束」もあり得る
ただし、新型コロナウイルス感染症関連のニュースでも、文脈によっては
「収束」の意味になる場合もあります。
例えば、「〇〇では、新規感染者数が1日数名にまで落ち着いており、
収束に向かっている」という場合はその一例です。
新型コロナウイルス感染症関連のニュースでは、収束と終息、どちらの
言葉も使われる可能性があります。ニュースを見るときは、どちらの
意味で「しゅうそく」という言葉が使われているのかを確認してみて
ください。
● 新型コロナウィルス収束後の日本経済について
2020年の新型コロナウィルスの感染拡大は、日本国内のみならず世界中の
経済活動に大きな影響を与えました。
予測予知できない外部環境の変化により私たちの生活は大きく変わろうと
しています。
● コロナウィルス収束後の日本経済を考える
直近にて思い出される世界的な経済危機としてまず思い浮かぶ事象が
リーマン・ショックです。コロナ収束後はリーマン・ショック後と異
なった事業環境になるであろうと考えています。
まず、日本の債務残高の対 GDP 比率は2019年には237%(2008年対比
+54%)へと増加しています。GDPについても、日本は 3 位にまで転落し、
2位の中国経済の成長に大きく差をつけられています。
テクノロジーの分野では、AI、5G、ブロックチェーン等様々な技術の
進展により、あらゆる分野において生産性の向上・業務効率化が可能で
あることが判明しています。
未来型ビジネスの需要については、旧来の慣行や追加コスト等の問題で
これまで導入が躊躇されていましたが、新型コロナウィルスの感染拡大と
いう環境変化により一転して急増するといった事象が発生しております。
以上のことから、今後は悲観的な経済見通しの中で、過去の発想を一旦
リセットすることが必要な状況であり、一方で特定の分野で劇的に需要が
急増するような状況になり、未踏の領域へ突入するものと考えております。
● 新しい経済事象とデジタル化の加速
コロナウィルス収束後は「デジタル化」が1つのキーワードとなると
考えています。感染防止のための移動制限、在宅勤務、接触の回避等を
きっかけにこれまで先延ばしにされてきたデジタル化が加速すると思わ
れます。政府としても、規制改革、デジタル化への支援を行って社会
変革を一気に進めていく方針です。一説によれば、米レンタカー大手
ハーツの破綻の一因は、デジタル化への対応が遅れたことが要因であると
考えられています。
今後は、デジタル化の進行により、①人と人との間の不必要な接触の
削減、省人化 、②遠隔からのサービスの提供 、③記録されたログデータを
活用した新たな戦術の創造 、④フィンテックによる旧来の金融機関の
高額な手数料の回避 、⑤社内業務の可視化、プロセス・情報の共有、
等のメリットが実現され、経済活動の効率化が進行していくものと
予測します。
更に具体的に言えば、業務プロセスや商談や診断等の現場において、
①ハンコ主義や対面原則・書面主義といった昔ながらの慣習の見直し 、
②リアル店舗とデジタルとを融合したDX(デジタルトランスフォー
メーション)、③医療のデジタル化・オンライン診療 、④顔認証や
生体認証(バイオメトリック)技術の活用の拡大 、⑤オンライン教育 、
⑥行政サービス・交通システム、など業界を超え多種多様な分野で変革が
起こっていくものと考えています。
以上より、いろいろな企業の業績に変化が起きております。
将来に向けたビジネスモデルの見直しも、進むことでしょう。
前向きに考えるならば、自社の事業を見直す“良いチャンス” だと考える
ことで、“次への変化-天災や経済、環境、変異型ウイルス等”に対応できる
対策が事前になされていれば、より強い企業になるんだろうな、と考えます。
2021.2.26
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美