実践するドラッカー[行動編] ②
Chapter1∵時間が成果を決める
知識労働者においては時間の活用と浪費の違いは成果と業績に直接現れる。
(『経営者の条件』—–p.57)
成果をあげるために、どれぐらい時間を確保していますか。
ドラッカー教授は、時間こそが真に普遍的な制約条件だとして、「ほとんどの
人が、この代替できない必要不可欠にして特異な資源を当たり前のように
扱う」と警鐘を鳴らします(『経営者の条件』)。
肉体労働者は「一時間で何個運ぶか」を問われますが、知識労働者は
「一時間で何を生み出すのか」を問われます。効率より効果、平凡な企画を
三本立てることが重要です。
あらゆる仕事には、時間が必要です。この貴重な資源をうまく使う方法を
身につけましょう。
● 普遍的
普遍的とは、全てのことに共通していること、または広く行き渡るさまの
ことである。わかりやすくいうと、いつでもどこでも誰にでも当てはまる
ということである。
● 制約条件とは
プロジェクト管理用語として使用する場合、プロジェクトチームの制御が
及ばない制限のことを指す。これらは管理される必要があるが、必ずしも
問題であるとは限らない。ただし、制約条件はプロジェクトが実施される
枠を表すものであるため、プロジェクトマネージャーはこれらの制約条件を
知っておく必要がある。例えば日程の制約条件は、ある日付までに特定の
イベント(例えばプロジェクトの終了)が起こる必要があることを意味
するかもしれない。資源が無制限に利用できることはあり得ないため、
資源はほぼ常に制約条件の1つとなる。
● 代替(だいたい)
それに見合う他のもので代えること。かわり。
「路面電車を廃止しバスで代替する」「代替地」
● 特異
1. 特別に他とちがっていること。また、そのさま。
「彼はこの会社では特異な存在だ」
2. 特にすぐれていること。また、そのさま。
「特異な才能の持ち主」
● 警鐘(けいしょう)
危険を予告し、警戒を促すもの。警告。「現代社会への警鐘」
A lesson from P.F.Drucker
∵時間は常に奪われる
現実は、時間がすべて他人にとられてしまうことである。(中略)
誰でも彼の時間を奪える。現実に誰もが奪う。
このことに抵抗する術はほとんど何もないかのようである。
『経営者の条件』—-p.28,p.29
時間は、いつも足りません。私たちはよく時間がないとこぼしますが、
そのわりには、時間を確保するための自衛手段をとっている人は少なく
ないようです。
時間管理の第一の目的は、自由になる時間を取り戻すことです。
私たちのまわりにいる時間泥棒の手から、時間を奪還するのです。
滝のようなメール、形式化した書類の作成、目的の曖昧な会議、アポイント
なしで割って入ってくる売り込み電話、たいした用もなく何度も話しかけて
くる人など、例を挙げればきりがありません。しかも困ったことに、時間
泥棒を取り締まることは難しく、また、奪う側にはほとんど罪の意識が
ありません。
何にも替えがたい貴重な資源であるからこそ、成果をあげるには、時間
泥棒から身を守る工夫が必要です。
● 自衛手段
自分に悪影響が及ばないように守ること。
● 奪還
奪われたものを取り戻すこと。奪い返すこと。奪回。
「陣地を奪還する」
この続きは、次回に。