実践するドラッカー[行動編] ㉘
Chapter5∵生涯を通して学ぶ
知識社会においては、継続学習の方法を身につけておかなければならない。
内容そのものよりも継続学習の能力や意欲のほうが大切である。
ポスト資本主義社会では、継続学習が欠かせない。
学習の習慣化が不可欠である。
(『ポスト資本主義社会』—p.253)
知識や能力は、一夜にして身につくものではありません。
何を学ぶかという情報を得ることは大切ですが、それ以上に「いかにして
学ぶか」という普遍的な能力を身につけることが重要です。
さらに、知識社会を生き抜くには、学びを習慣化すること、つまり「いかに
して学び続けるか」という継続学習が不可欠だとドラッカー教授はいいます。
学習にはインプットもアウトプットも必要ですが、聞くことが得意なら
インタビューで情報を得る、書くことが得意ならばブログで情報発信を
するといったように、自分の強みやワークスタイルを活用することが
学びの秘訣といえます。
自分の強みや得意なスタイルで行えば、学習を負担に感じないので知識を
得やすく、続けやすくなります。
学びを楽しみ、知識という資本の投資効率を高めるコツを身につけましょう。
A lesson from P.F.Drucker
∵未来の自分に投資する
「自らの強みが何か」を知ること、「それらの強みをいかにしてさらに
強化するか」を知ること、そして「自分には何ができないか」を知ること
こそ、継続学習の要である。
『プロフェッショナルの条件』—p.106
集中を考えるとき、アウトプットとインプットという二つの要素が重要に
なります。アウトプットとは、成果のことです。インプットとは、成果を
得るために投下する資源のことで、主な資源は時間と知識です。
成果は、資源投下という行動の結果、生まれます。単に知識が頭の中に
あるだけでは何も起きません。ここで意識しなければならないのは、
「行動の量と質」です。どれだけ行動したか、どんな行動をしたかです。
行動の量については、何といっても時間の確保が欠かせません。
当たり前のことですが、時間があればあるほど行動量は多くなり、それは
成果の大きさや量に直結します。
一方、質を決めるのは、個人がもつ知識や能力です。深い知識があれば
さまざまな行動をとることが可能になりますし、あるいは、より短時間で
成果をあげることもできます。ですから、なるべく知識を広く深く身に
つけていきましょう。それは今の仕事をより早く、的確に行うための
投資でもありますが、知識を広げれば、未知の仕事を手掛けられるよう
にもなります。やれる仕事のかずと種類が増えていきます。
時おり、現在の手持ちの資源の使い方だけでなく、新しい俊樹という
未来の資源をつくる投資も意識してください。
この続きは、次回に。