Coffee Blake-令和3年12月17日(金)「ニッポンの統治」
日経新聞 2021年(令和3年)12月1日「ニッポンの統治」に前法政大総長の
田中優子氏の記事が掲載されておりました。
私は、日曜日のTBSテレビ「サンデーモーニング」を毎回、観ており、
時々、「田中優子氏」も拝見致します。
女性でありながら(差別ではありません)、「法政大学」の総長を務め、
かつ、分かりやすい「コメント」について、いつも感銘を受けており
ました。
今回の記事内容についても、〝その通り〟という感想を持ち、「代表の
ブログ」で是非、ご紹介したいと思っておりました。
新型コロナウイルスの影響拡大が収束に向かうかなと思っていた矢先に、
新たに、変異株「オミクロン株」感染のニュースが毎日、流れております。
対策、対応に役立てていただきたい「記事」ではないでしょうか。
2021.12.17
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美
ニッポンの統治
前法政大総長 田中 優子氏
たなか・ゆうこ
1952年生まれ。91年法政大教授、2014年から21年まで総長。
江戸文化研究で知られ、「江戸の想像力」「江戸百夢」など
多数の著書がある。
–新型コロナウイルス対応で日本政府の対応が回り続けました。
「データや科学に基づいて判断し、作戦を練り、行動することができて
いない。第2次世界大戦で負けた当時と変わっていないのではないか。
与党だけではなく野党も同じかもしれず、日本の政治の性質とすれば
かなりまずいことだ。
「これからは危機の時代だ。温暖化や開発に伴って感染症のパンデミックス
(世界的大流行)は繰り返され洪水や豪雨が頻発する。
最悪の想定から逆算して何をするかを考えるべきだ」
—-統治の問題点は。
「政治目的が曖昧なことだ。目的にも短期・中期・長期とあるが、何年後
にここまで達成するという見通しが明確に示されない」
「私が2014年に法政大総長に就任して最初にしたのは2030年の大学の
姿を描く長期ビジョンの策定だった。財政的に最悪の状態をまず想定し、
そうならないためのアクションプランを定めた。
当時の法政は危機的状況ではなかったが少子化の到来は確実であり、
組織の持続可能性を探ることは必要だった」
—政治家の問題点は。
「選挙で当選して党内でのし上がるプロセスをたどるためか、国全体
よりも党の持続を優先している気がする。国民の生活や命、健康を持続
させる政策をつくるのが政治家のはずだ」
「経済成長が目的になっている政治家が多い。人が生きていくには経済力は
必要だが、いかに生きるかの方が大事だ。戦後から経済成長を追い求める
政治が続き、目的になっている」
—-政治家と官僚の関係は正常ですか。
「どちらかが一方的に強くなる必要はない。官僚の人事権を政治家が
過剰に握るのは良くない。両者が調整しながら政策を進めることが
重要だ。要は民主主義が完成していない。政治家と官僚でいえば、
命令し、それに従っている方が楽だ。民主主義の基本である徹底的な
話し合いが足りていない」
「総長時代は財政問題を解決するため、教職員の人件費見直しを始めて
議論した。反発は大きかったが議論と再提案を重ねた結果、教員が自ら
経費削減案を練ることになった。対立を避けずに議論したことで危機感が
共有され、改革する覚悟ができた」
—国民はどう対応すべきでしょうか。
「権威に従いやすいが日本人の弱点だ。江戸時代なら将軍、明治以降は
天皇、戦後は米国を頂点とした構造が続き、『偉い人が考えてくれるだ
ろう』という傾向がまだある。政治家に権威は必要なく、国民はその
仕事ぶりを見て評価すればよい」
「国民は署名や投票行動で自分の意思を表すことが重要だ。
教育の役割は大きい。大学も自分で考えて学ぶことができる人を育てる
ため、オンライン教育なども活用して少人数指導を充実する改革に取り
組んでいく」(聞き手は羽島大介)
今回の「18歳以下、10万円給付金」についても、政府の対応は、ドタバタ
しており、〝改善〟が見られない感があります。
私も含め、この「18歳以下、10万円給付金」については、いろいろな
意見があると思います。
一つ、〝困窮者〟〝困っている人〟といわれている方々は、年齢で判断
することはできません
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の言葉をインター
ネットで調べますと、福沢諭吉が、アメリカの独立宣言の序文『すべての
人間は、生まれながらにして平等である』を意訳して引用した上で、
「と言われている」と伝聞で締めています。「天は人の上に人を造らず、
人の下に人を造らず」は、福沢の考えですらなかったのです。
そしてその後には、まったく逆の意味の主張が続きます。
いささか長いので意味だけをお伝えすると、「しかしながら実際には
賢い人と愚かな人、貧しい人と富んだ人、身分の高い人と低い人がいて、
雲泥の差がついている」という意図の文章が続きます。
〝格差〟という言葉がありますが、いろいろ意味で、〝皆平等〟である
べきですが、民主主義であり、競争社会である以上は、〝格差〟と〝皆
平等〟は、相容れないことではないかと思いました。
2021.12.17
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美