Coffee Blake-令和3年12月18日(土)「認知機能低下」
日経新聞 2021年(令和3年)12月8日「シニアサポーター」に認知予防の
記事が掲載されております。
「代表のブログ」でも、再三、取り上げているテーマですが、是非、
ご参考にしていただければと思い、記事内容をご紹介させていただき
ます。
2021.12.18
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美
シニアサポーター
認知機能が低下しにくい食事や食べ方は
生活習慣病の予防 意識して
認知症を予防するには食事に気を付けたほうが良いと聞きます。
認知症と食事はどの程度関係があるのでしょうか。
何を食べれば認知症になるリスクを下げられるでしょうか。
コロナ下の外出自粛が続き、食欲がない日も多いので上手な食べ方も
教えてください。
「最近もの忘れがひどい。何を食べたら治るのか」。
高齢者が管理栄養士に真剣に質問する—-総合東京病院(東京・中野)で
実施している栄養指導の様子だ。高血圧や糖尿病などの患者が医師の
指示で栄養指導を受ける。認知症への不安を抱えている人も多い中、
管理栄養士の笹本友里さんは「『これさえ食べておけば大丈夫』という
食材はないが、コツはある」と話す。
■ バランスの良い食事
笹本さんは「(これがよいという)テレビの情報などで1つの食品を過剰摂取
して食事に偏りがでる人が少なくない」と指摘する。
押さえたいポイントは3点。
「バランスのよい食事」「塩分控えめ」「抗酸化物質の活用」だ。
主食となるご飯などは毎食握りこぶし1つ分を目安にする。
主菜の「魚」「肉」「卵」「大豆製品」「乳製品」などのたんぱく質は、
それぞれ1日の中で手のひら1つ分ずつを目安に、摂取するよう心がける。
副菜となる生野菜・きのこ・海藻などは両手1杯分、温野菜なら片手
1杯分を目安に毎食取るように心がける。
抗酸化物質が豊富な食べものもオススメだ。大豆のイソフラボン、
ゴマのセサミン、緑茶のカテキンなどに代表されるポリフェノール、
緑黄色野菜に豊富なβ(ベータ)カロテン、タマネギやにんにくに含まれる
含硫化合物、野菜や果物に含まれるビダミンCなどは日常的に摂ると
よい。
種類多く採り、栄養偏りなく
■ 疫学調査でも示唆
バランスのよい食事が認知症予防に有効だと示唆する研究がある。
国立長寿医療研究センターが愛知県大府市など在住の40〜79歳を対象に
1997年から実施している疫学研究だ。
約4000人の栄養素の摂取状況を調査し、体調の変化などについて聞き取る。
同センターの荒井秀典理事長は、「様々な種類の食品をバランス良くとって
栄養の偏りをなくすことが大切だとわかってきた」と話す。
多種類の食品を最も食べている群は、最も少ない群に比べ、認知機能低下
リスクが約4割下がった。特に魚や大豆などをメニューに入れると効果的で
あるという結果が出ている。
魚の油に多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)の血中濃度が最も低い
人の群に比べ、中程度や高い人では、10年後の人と認知機能低下リスクが
8〜9割下がった。
60歳以上の女性では、牛乳・乳製品を多くとっている人や大豆製品に
含まれるイソフラボンの摂取量が多い人は認知機能低下リスクがそれ
ぞれ20%、45%下がった。
一方、男女ともに食事に占める穀類摂取の割合が高い人ほど、認知機能が
低下するリスクが高まった。
ブロッコリーやホウレンソウなどの緑色の野菜に多く含まれる葉酸に
注目する研究も進む。葉酸は、認知症のリスクを上げる要因のひとつで
ある動脈硬化の予防に効果があることがわかってきた。
動脈効果を引き起こす危険因子のひとつであるアミノ酸の「ホモシステ
イン」を別の無害な物質に変換する。
埼玉県坂戸市は、女子栄養大学と共同で2006年から「さかど葉酸プロ
ジェクト」を開始。ビダミンB群の一種である葉酸を積極的に摂取する
運動を進めている。
女子栄養大学の香川靖雄副学長は「日本人の約15%は遺伝子の関係で、
体内で葉酸を活用する能力が低くなっている」と指摘、意識的にメニューに
取り入れるよう訴える。
■ 適度な運動などと組み合わせて
世界保健機関(WHO)は19年に示した認知機能低下や認知症リスクの低減に
向けたガイドラインで、高血圧や糖尿病、脂質異常症など生活習慣病を
予防する重要性を指摘する。
認知症発症リスクを高める要因は複数報告されている。
例えば、動脈硬化、肥満、運動不足、糖尿病などだ。
長寿研の荒井理事長は、「食事に気を配るだけでなく、生活習慣病を
管理し、できれば有酸素運動や筋肉に負荷をかけるトレーニングなどを
組み合わせた適度な運動、そして人とのコミュニケーションを含む脳の
トレーニングが認知機能維持には必要だ」と話す。(満武里奈)
—-認知機能維持に効果がありそうな食事のコツ—-
● 様々な種類の食品を使い、主食・主菜・副菜が揃った栄養バランスの
よい食事を心がける。
● 主食(ごはん、パン、麺など)は1食あたり握りこぶし1個分、主菜(肉、
魚、卵、大豆製品など)は1日あたりそれぞれ手の平1つ分、副菜(生野菜、
海藻、きのこなど)は毎食両手1杯分が目安。
● 1日3食を心がける。
● DHA、大豆製品などの「イソフラボン」、緑茶、ビタミンB群の
一種の葉酸などの摂取が認知症リスクを下げる可能性がある
(出所)取材を基に作成
—-専門家がオススメの工夫例—-
・食べる量が減ってきたとき
スキムミルクやきな粉を使う▶︎容量を増やさずたんぱく質を補う
スープ・ヨーグルト◀️大さじ1杯 きな粉やスキムミルク
・葉酸を多くとるために
(2人前)
□ ブロッコリーの塩昆布あえ
ポリ袋にゆでたブロッコリー(1株)◀️ごま油 小さじ1杯と塩昆布 大さじ2杯
□ ホウレンソウの納豆あえ
(2人前)
ポリ袋にゆでたホウレンソウ(100グラム)◀️しょうゆ 小さじ1杯と
納豆 1パックと付属のタレ1袋
(出所) 国立長寿医療センターの「健康長寿教室テキスト第2版」と
坂戸市の「葉酸Richレシピ集」から抜粋・作成。
私も認知予防には、大変、興味を持っております。
「バランスのよい食事」「塩分控えめ」「抗酸化物質の活用」の3つを
十分に心がけ、これからも認知予防に努めていきたいと思います。
2021.12.18
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美