Coffee Blake-令和3年12月19日(日)「家計の改善策」
日本経済新聞 2021年(令和3年)12月11日「学んでお得」に
〝老後2000万円問題〟の記事が掲載されておりました。
知識として、ご享受いただければと思い、ご紹介致します。
2021.12.19
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美
家計の改善策
① 支出を減らす
・通信費・光熱費の見直し
・住み替えや住宅ローンの見直し
・公的保障を生かした保険の見直し
・控除漏れのない適切な納税
② 収入を増やす
・長く働く
・年金の支給開始時期の繰り下げ
・厚生年金を増やす
・同居の子から生活費を受け取る
③ お金を育てる
・iDeCoやNISA
・コツコツ積み立て/引き出し
🍀 FPがお悩み解決
老後2000万円問題
何年か前に「老後2000万円問題」が話題になりましたが、65歳までに
2000万円も貯められるか不安です。(65歳・男性)
3つの手段で収支改善
いわゆる「老後2000万円レポート」は老後資金について考えるきっかけに
なりましたが、誰もが2000万円必要なわけではありません。
報告書の中で使われたデータは2017年のもの。図表の通り、昨年の収支は
大幅に変化しました。2000万円不足するといわれていた収支は、55万円の
マイナスまで急激に縮小しています。
その理由には、新型コロナウイルスによる支出の減少や昨年の1人10万円の
特別定額給付金などが考えられますが、このような数値は変化します。
だからこそ、自分の老後の収支を想像し、今から準備することが重要なの
です。
老後の年金見込み額は、50歳以上ならねんきん定期便でわかりますし、
ねんきんネットを使うと年齢を問わず試算できます。勤務先の企業年金や
退職金、個人年金保険などの収入も洗い出しましょう。
支出は、年金生活者になった自分を想像して考えます。日々の生活費以外
にも、リフォームや電化製品の買い替えなどまとまったお金が必要になり
ます。これ等を貯蓄で補うために、そして、日々の収支のゆとりのために、
3つの改善策を検討しませんか。
① 支出を減らす
まずは固定費の削減です。
スマホやプロバイダー契約の見直し、電気・ガスの事業者変更、家族の
減少による住み替えなどがあります。
健康保険の高額療養費・傷病手当金、障害年金を生かした医療保険や
がん保険の見直し、遺族年金を生かした死亡保険の見直しも効果的です。
税金の控除漏れも確認します。親が子の国民年金保険料を納めたときは
社会保険料控除を、iDeCoは小規模企業共済等掛金控除を年末調整で申請を。
食費やお小遣いなど日々の支出の削減は、固定費の見直し後に行うと、
ストレス少なく改善しますよ。
② 収入を増やす
22年10月から厚生年金に加入する主な条件が、勤務先の従業員数が101人
以上で月額8.8万円以上の場合に変わります。
改正により、パートや再雇用の人も厚生年金に加入しやすくなり、現在の
収入を得ながら、老後の年金も増やせるようになります。
また、過去に5年以内の国民年金の未納期間がある人が60歳以降も厚生
年金に加入して働くと、経過的加算として国民年金の空白部分を穴埋め
してくれる制度も使えます。
長く働く強みですね。
65歳になると公的年金の請求ができますが、受給開始時期を繰り下げる
とも年金額が増えます。70歳受け取りなら1.42倍、来年4月以降は75歳
受け取りで1.84倍となり、増えた年金が一生続きます。
繰り下げ予定だった年金を早く受け取りたくなったら、最大5年前の分まで
さかのぼって一括受け取りするか、請求時点からの増えた年金を受け取る
かを選べます。
③ お金を育てる
iDeCoや小額投資非課税制度(NISA)を利用すると、非課税効果を得ながら
お金を育てられます。ただし、ボーナスや退職金などのまとまった金額を
一度に投資すると、その後の値動きに生活も気持ちも揺れ動いてしまいます。
コツコツ積み立てながら、人生100年の長い目でお金を育てましょう。
なお育てたお金は一度に全額解約するのではなく、定期的に引き出すように
するといいでしょう。これなら高値のタイミングを狙うストレスから解放
されますよ。
このような家計の改善は、①支出を減らす②収入を増やす③お金を育てる
——の3つの方法があります。一気に始めなくて構いません。
まずは自分に合ったものから実践して、安心な老後の一歩を踏み出しま
しょう。
ファイナンシャル・プランナー(FP) 前野彩さん
●●「年金夫婦」の家計収支は改善している? ●●
2010年 2019年 2020年
実収入 22万3757円 23万7659円 25万7763円
実支出 26万4948円 27万0929円 25万9304円
1カ月の収支 ▲4万1191円 ▲3万3270円 ▲1541円
30年間の収支 ▲1483万円 ▲1198万円 ▲55万円
貯蓄残高 2225万円 2317万円 2336万円
(※)夫65・妻60歳で収入は年金だけの夫婦を想定
(出所)総務省「家計調査」
いかがでしたでしょうか。
企業では、収支改善策として、
① 支出を減らす=経費削減
② 収入を増やす=売上高拡大 を考えます。
③のお金を育てるは、〝?〟というか、新規事業投資にあたるでしょうか。
いろいろと参考になりました。
2021.12.19
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美