ピーター・F・ドラッカー「経営者の条件」㊿+28
成果のあがらない人は、第一に、一つの仕事に必要な時間を過小評価する。
すべてがうまくいくものと楽観する。だが誰もが知っているように、うまく
いくものなど一つもない。予期しないことが常に起こる。
しかも予期せぬことはほとんど常に起こる。しかも予期せぬことはほとんど
常に愉快なことではない。したがって成果をあげるには余裕を見なければ
ならない。
第二に、急ごうとする。そのためさらに遅れる。成果をあげる者は時間と
競争しない。ゆっくり進む。
第三に、同時にいくつかのことをする。そのため手掛けている仕事のどれ
一つにもまとまった時間を割けない。いずれか一つが問題にぶつかると
すべてがストップする。
成果をあげる人は、多くのことをなさなければならないこと、しかも成果を
あげなければならないことを知っている。したがって、自らの時間と
エネルギー、そして組織全体の時間とエネルギーを一つのことに集中する。
最も重要なことを最初に行うべく集中する。
● 過小評価
物事を実際よりも低く見積もったり評価したりすること。
「実力を―する」⇔過大評価。
● 楽観
1. 物事の先行きをよいほうに考えて心配しないこと。心配するほどの
事態でもないとして気楽に考えること。
「病状は―を許さない」「状況を―する」「―視」⇔悲観。
2. すべての可能性を信じ、世の中や人生をよいものと考えること。
「―論」⇔悲観。
この続きは、次回に。