お問い合せ

書籍「成功はゴミ箱の中に」レイ・クロック自伝を読んで ⑤

四、成長する組織づくり、人材づくり—なぜ、高学歴社員だけでは駄目なのか

 

□ ここで問われるべきなのは本質を見抜く力や真の経営能力をどうやって身に付けるか

 でしょう。経営に携わっていない経営者の意識を持って仕事をすること。それだけで

 す。経営とは自分の仕事や会社の事業が顧客に何をもたらしているかを考えることで

 す。経営者の視点で自分なりの判断を下していくことが訓練になる。

 

□ 「世界には教育を受けた落伍者があふれている」

 「天才は駄目だ。報われない天才は、問題児ときまっている。秀才もいかん。

 この世は成功できない秀才がうじゃうじゃいる。学歴だけでもだめだ。

 どこもかしこも、学歴の高い怠け者ばかりだ」

  (ともにレイ・クロックの発言。『ザ・フィフティーズ』D・ハルバースタム著)

 

 レイ・クロックは決して大学卒を認めていないわけではない。学歴で自分を飾るな、

 自分ができることは何なのかを謙虚に見つめろと言いたいのではしょう。

 

□ MBAを持っていると自慢する人に限りませんが、頭のいい人って、自分の考えが

 すべてと思いがちです。なかなか他人の意見を受け入れようとしない。

 けれども実際に仕事をするには他人の意見に対する理解力が必要なんです。自分の

 視線だけで世の中を眺めるのではなく、上の人の視線になって想像する場面もあれ

 ば、したの人の視線で考えることもある。寛容性と他人への共感がないとビジネスの

 現場は回っていきません。いろいろな人に会って、いろいろな考え方を知ること、いろ

 いろな現象を分析する能力がなければ経営はできない。

 藤田田さんも同じようなことを言っています。「ビジネスマンならば庶民に会え。

 庶民の視点で考えろ」と。

 

五、ヒットの作り方—売れるブランド、売れる営業の相関関係

 

□ 商売とはモノを買いに来たお客さまがいたら売るのが基本中の基本。目の前にお客さ

 まがいるのに商品を出さないなんてことはできません。「売らずに倉庫に置いてお

 け」とは現場を知らない人が言うこと。よほどニッチな商品でもない限り「売るのを

 コントロールする」ことはできません。

 

□ ヒットする商品をどう作るかに関していえば、ユニクロでは日々、開発しています。

 開発部隊がいますし、むろん僕や社員も考えている。なかなか難しいことですが——。

 世の中には商品が溢れ返っています。ほとんどの商品は売れないと思ったほうがいい(笑)。

 では、どんなものが売れるかといえば、売る側が信じて売っているものです。

 「これ買ってください。これは絶対いいものです」そう断言できる商品は売ります。

 反対に「これ、ちょっとまずいな」と感じた商品は売りません。お客さまはシビアです。

 商品と自分のお金を交換するわけだから、お金にふさわしい価値があるかないかを

 瞬時に見抜く。ですから、絶対にだますことはできない。もし、お客さまをだまそう

 とすれば必ず大きなしっぺ返しに遭います。

 

□ 売れる商品とは、誰もがまだ作ってはいなかったもの、また買いたいと思わせるもの

 です。(中略)宣伝やパッケージのことばかりに頭を悩ますよりも、商品の実体を作る

 こと。消費者が注目するような商品を開発することです。

 

□ レイ・クロックは取引先との関係に付いてこんな言葉を残しています。

 

 「私は良い製品以外、何もいらない。これからは、ワインを送ったり、ディナーに

 誘ったり(中略)しないでくれ。コストを下げられるのなら、その分をオペレーター

 たちに還元してほしいんだ」

 仲よくする、協力するといっても、取引先とは緊張感を持って付きあうこと。慣れ

 合ったり、私欲で付きあうのではなく、仕事を通じて関係をつくる。余計な接待、

 贈り物など無用でしょう。要は取引先とともに自らも成長していけばいいのです。

 

六、ライバルとどう戦うか—-なぜレイ・ブロックはゴミ箱を見るのか

 

□ 僕は競争相手に勝とうとするのならば同じ土俵に上がっては駄目だと思っています。

 自分だけのポジションを新しくつくること。そこを大きく伸ばしていくしかない。

 

七、大富豪の金銭感覚—-お金は儲けるより使うほうが難しい

 

□ 若い経営者には贅沢をするよりも、まず何のために起業したかをもう一度、思い返し

 て欲しい。三○歳から死ぬまで遊んで暮らすことはできません。いつか駄目になります。

 


 

「世界一、億万長者を生んだ男」

   レテ・ブロックの金言

 

1. 競争相手のすべてを知りたければゴミ箱の中を調べればいい。

    知りたいことは全部転がっている。

 

2. 私は金を崇拝したこともないし、金のために働いたこともない。

     金は厄介な代物だ。手に入れるより追いかけているほうがずっと面白い。

 

3. 未熟でいるうちは成長できる。成熟した途端、腐敗が始まる。

 


 

今回で終了となります。

 

是非、購読の上、いろいろと感じていただければ幸いです。

 

まだまだ、積読があります。

次回は、「Think clearly シンク・クリアリー」をご紹介したいと思います。

 

 

2024年9月10日

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

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